研究概要 |
1.各酵素蛋白のNーアミノ酸配列の決定:大量精製した各酵素蛋白についてそれぞれのNー末端アミノ酸配列をペプチドシ-クエンサ-を用いて決定した。三種の酵素のうち、carboxynorspermidine decarboxylaseは20残基迄完壁に決定することができ、しかもその配列中にmethionine2残基が認められ、クロ-ン選抜のためにそのオリゴヌクレオシドを用いることが妥当であることが判明した。一方、他の2種の酵素は多縮重のアミノ酸残基が多く認められ、クロ-ン選抜にそれらのオリゴヌクレオシドを用いることは適当でないことが示された。しかしながら、いずれのアミノ酸配列もDNA配列の決定時には有用な情報を与えると考えられた。 2.遺伝子ライブラリ-の作成:Vibrio alginolyticus genomic DNAを用いてそのライブラリ-を作成した。約2000の形質転換コロニ-を得ている。 3.Lー2,4ーdiaminobutyric acid decarboxylase(DABA DC)抗体の調製とスクリ-ニング:ウサギを用いてDABADCに特異的な抗血清を得た。現在、免疫学的方法を用いてクロ-ンのスクリ-ニングを行なっている。 4.Carboxynorspermidine decarboxylaseのオリゴヌクレオチドの調製とスクリ-ニング:アイソト-プ標識したプロ-ブを用いてクロ-ンのスクリ-ニングを開始した。 5.Lー2,4ーdiaminobutyric acid decarboxylaseの他細菌における分布:Vibrio属細菌の他に、Acinetobacter属細菌にも本酵素活性が存在することを発見した。この酵素を精製し、Vibrio属酵素との免疫学的相同性を明らかにすべく検討している。
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