研究概要 |
1 T細胞クロ-ンを用いたHLAクラスエアロ抗原の認識 (1) HLAーB51およびBu52抗原のアロ抗原決定基の解析 HLAーB51とBw52はきわめて類似した抗原で遺伝子の解析から63番目と67番目のアミノ酸の置換があることがわかっている。そこでこの2つの遺伝子間のキメラ遺伝子を作製し,この遺伝子をHmy2CIR細胞上に発現させた細胞を使い,HLAーB51およびBw52特異的CTLクロ-ンの反応を調べた。それぞれのCTLクロ-ンともこのキメラ抗原両方に反応するもの,あるいはどちらか一方しか反応しないものがあり,このことからいずれのアミノ酸残基もアロ抗原決定基に関与していることがまた1つのHLA抗原に対して多様なT細胞群がアロ抗原特異的に反応することが明らかになった。 (2) HLAーB35mutant抗原を用いたアロ抗原決定基の解析 HLAーB35はαaドメイン上にB51と比べた場合8つのアミノ酸の置換(6つのβシ-トと2つのαヘリックス)がみられる。そこでαβそれぞれをB51にかえたB35mutant遺伝子を作製し,B35特異的クロ-ンを用いて解析した。T細胞クロ-ンはαヘリックスをかえた抗原に対しては全く反応しなかったが,βシ-トをかえた抗原に対しては反応するものとしないものがあった。このことから,αヘリックスはアロ抗原決定基に重要な役割を果していることそしてβシ-トも一部のT細胞の認識に関与していることが明らかになった。現在single amino acid mutantを作製して解析中である。 2. マイナ-組織適合抗原特異的CTLクロ-ンによる解析 B35mutant遺伝子抗原を用いて,B35拘束性,マイナ-組織適合抗原特異的CTLクロ-ン抗原認識を調べたところ,αヘリックス,βシ-トともに影響を与えることが明らかになった。
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