研究概要 |
1.B6マウスにBALB RL♂1白血病細胞を移入すると、一且腫瘤を形成した後に約10日で拒絶される。この場合、B6マウスに抗Lytー2・2(CD8)モノクロ-ナル抗体を投与してin vivoでCD8^+細胞の機能を抑制するとCD4^-CD8^-の表現型を有する傷害性T細胞が誘導されること、さらにこの場合CD4^+細胞の活性化が必要であることが、わかった。 2.Northern blottingによる解析の結果、CD4^-CD8^-の細胞集団には通常のCD8^+傷害性T細胞の場合に比べ、TCRαおよびδの発現が著しく増加していることがわかった。 3.T細胞欠失ヌ-ドマウスにCD4^-CD8^-傷害性T細胞を受身移入することによりRL♂腫瘍を特異的に拒絶することを明らかにした。このことは、CD4^-CD8^-T細胞がin vivoで充分に機能を発揮できることを示唆している。 4.CD4^-CD8^-傷害性T細胞クロ-ンを確立した。このことにより、従来知られていたCD4^+あるいはCD8^+傷害性T細胞との性質の違いをクロ-ンレベルで明らかにすることができる。さらに、CD4^-CD8^-傷害性T細胞クロ-ンを用いて、これにCD4,CD8あるいはさらにそれらの変異遺伝子を導入発現させることにより現在まだ不明のままのそれらの分子の機能の解析が容易になるであろう。
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