研究概要 |
1.C3H/Heマウスを用いて、リステリア感染の際に、γδT細胞が防禦免疫に働くかどうかを抗TCRβ、抗RCRδ抗体のin vitro投与によって検討した。この結果、抗TCRβ抗体の投与によって菌の排除は遅れるが、さらに抗TCRδ抗体を追加して投与することにより、菌の排除はいっそう遅れた。このことから、菌排除にγδT細胞が関与していることがわかった。 2.C3H,Tg.Tla^a-3-1マウスでは、生後3週目以後にγδT細胞の増加が認めらり、末梢リンパ組織中でT細胞の約30%程を占めるようになる。これらのマウスの末梢リンパ球を固相化抗TCRδ抗体で刺激すると増殖反応をおこすことが明かになった。 3.これらのγδT細胞は、redirected assayで細胞傷害性を示したが、αβT細胞の細胞傷害性と比較すると低値であった。 4.C3H.Tg.Tla^a-3-1マウス末梢リンパ球を、同種BALB/c由来のマイトマイシンC処理脾細胞と混合培養するとαβT細胞が増殖反応を示すが、これと共に、γδT細胞も明からに増殖反応を示す。培養前に、予め、αβT細胞を除去するとγδT細胞の反応はおこらないことから、γδT細胞の同種MHC抗原に対する増殖反応は、αβT細胞依存性であることが明かになった。リンパ球混合培養の結果増殖反応を示したγδT細胞はαβT細胞と異なり、CTL活性は有しなかった。
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