研究概要 |
HRF20をヒト赤血球膜より既報の方法(Okada et al、Int.Immunology,1:205,1989)により精製し、これをcholesterolとphosphatidylcholine(PC)1:1を主成分としたリポソ-ムの膜に種々の量で組み込んだ。このHRF20を組み込んだリポソ-ム(HRF20ーリポソ-ム)と精製した補体反応中間体であるC5b67を反応させてC5b67siteを膜上に形成させた(HRF20ーリポソ-ムーC5b67)。これにC8及びC9を作用させてリポソ-ム膜の破壊に及ぼすHRF20の効果を解析した。 その結果、HRF20ーリポソ-ムーC5b67の溶解反応において、C8がlimit量のときにC9に対するHRF20の抑制効果が認められた。このことはHRF20の抑制効果に細胞膜上の他の糖蛋白質が関与する可能性を否定している。 一方、遺伝的にHRF20を欠損している患者が見出ださたので、その患者の末梢血のBリンパ球にEBウィルスを感染させて細胞株を樹立した。この細胞株は、HRF20は細胞膜上に発現していないが、65KDaのHRF(C8ーbinding protein)にたいする抗体とは反応したので、HRF20は65KDaーHRFとは異なった分子であることが確認された。
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