ヒトのT細胞、単球(マクロファ-ジ)の活性化に対するインタ-ロイキン4(IL4)の作用を検討し、以下の点を明らかにした。 (1)IL4はアロのリンパ球との混合培養により誘導されるヒト末梢血リンパ球からのアロ抗原特異的キラ-T細胞の産生を抑制した。 (2)アロ抗原刺激およびマイト-ゲンの刺激で誘導されるT細胞の増殖反応に対しては、IL4は抑制作用を示さなかった。 (3)IL4はキラ-T細胞誘導の初期に抑制作用を示したが、後期には抑制作用を示さなかった。また、IL4は、キラ-T細胞のエフェクタ-機能に対しては、抑制作用を示さなかった。 (4)ヒト末梢血単球をin vitroで培養し、LPSで刺激すると、IL1の産生が誘導されたが、IL4はこのIL1産生を抑制した。 (5)アロ抗原刺激およびマイト-ゲンの刺激で誘導されるT細胞のIL2産生、IL2リセプタ-の発現も、IL4により抑制された。 (6)ヒト末梢血リンパ球をIL2と共に培養すると、リンフォカイン活性化キラ-細胞(LAK)が、誘導されるが、IL4はこれも抑制した。 (7)IL4は単球の増殖反応、主要組織適合性抗原遺伝子複合体(MHC)クラスII抗原の発現に対しては促進的に作用した。 (8)LPS、IL1、TNF、はM1細胞、HL60細胞に、Fcリセプタ-(R)の発現および貧食能を誘導したが、IL4はこれを抑制した。 (9)LPS、IL1、TNFは、M1細胞、HL60細胞の増殖能を抑制したが、I莉4は増殖能には促進的に作用した。 (10)IL1はマウス胎児骨からのCaの遊離を促進した(骨吸収活性)が、IL4はこれを抑制した。 以上のことより、IL4は、ヒトT細胞、単球の増殖に対しては促進的に、機能的分化に対しては抑制的に作用することが明らかにされた。
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