研究課題/領域番号 |
02670217
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小野 雄一郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (80135334)
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研究分担者 |
蛭田 秀一 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (30173272)
島岡 みどり 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (30135389)
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
久永 直見 名古屋大学, 医学部, 講師 (90111856)
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助手 (90206128)
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キーワード | 作業負担 / 非対称持つ上げ / 筋骨格系障害 / 体力 / 物体取り扱い作業 / 静的筋力 / 動的筋力 / 自覚的負担感 |
研究概要 |
1.平成2年度に行った現場の非対称持上げ作業の実態調査に引き続き、平成3年度は、モデル実験による非対称持ち上げ動作時の発揮筋力、負担感、力学的指標や生理学的指標の把握を行った。 2.18ー32歳の男性を実験の被験者とし、体格と体力条件の測定を行った。測定項目は身長、体重、上腕二頭筋、大腿直筋を中心とする筋力、肩部挙上時筋力、背筋力、立位体前屈、腰部や足首の柔軟性等である。 3.LIDO LIFT(LOREDAN社)に箱を設置して、各作業条件での非対称持ち上げ動作を被験者に課した。作業条件を現場の動作分析に基づき、(1)物体の位置の対称性(正面、右90度、右45度、左90度)、(2)箱に対する手の位置(取っ手把持、底面把持、対角点把持)、(3)箱の高さ(床上、挙高)、(4)持つ上げ方法(膝曲げ、膝伸し)、(5)足の位置(平行、非平行)等の変数について諸種の条件を組合せた実験を行った。測定項目は、各条件での持ち上げ時の静的・動的筋力、自覚的負担感、心拍数、筋負担、姿勢変化、床反力等である。以上を条件の組合せにより3つの実験(各実験の被験者は12〜13名)に分けて行った。 4.現在、第1実験のみ得られた資料を部分的に検討できているが、その結果では、(1)非対称持上げは、かならずしも対称持上げに比べて筋力が低下しないが、大腿部の負担感が大きくなる。(2)箱に対する手の位置により発揮筋力や負担感が大きく異なる。(3)動的筋力評価は静的筋力評価と類似の結果を得るが、静的筋力測定よりも負担感が少なくて済む等のことが見出された。他の実験資料は現在検討中である。 5.今後、さらに女性労働者を主対象とする実験を行い、これまでの実験結果と合せて、作業上の変数や、体力変数と身体負担、発揮筋力との関連を解析し、非対称持ち上げ作業に関する許容基準を考察する予定である。
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