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1991 年度 実績報告書

気管内注入法によるガリウムヒ素とインジウムヒ素の生体内挙動

研究課題

研究課題/領域番号 02670222
研究機関九州大学

研究代表者

久永 明  九州大学, 医学部, 講師 (20128078)

研究分担者 平田 美由紀  九州大学, 医学部, 助手 (30156674)
田中 昭代  九州大学, 医学部, 助手 (10136484)
キーワード気管内注入法 / 半導体新素材 / ヒ素 / 慢性毒性 / インジウム / インジウムヒ素 / 催腫瘍性
研究概要

本年度は前年度に検討した気管内注入法を用い,ガリウムヒ素(GaAs),インジウムヒ素(InAs),インジウムリン(InP)の生体内動態をハムスタ-を用いて検索するとともに,その慢性影響について呼吸器官を中心に病理組織学的に長期間(約2年)観察した。
1.GaAs(0.25mgAs×15回)投与群において,対照群に比べて体重低下は特に認められなかったが,生存率では投与1年前後から有意に減少する傾向を示した。さらに肺胞上皮および細気管支上皮細胞の増生や肺炎発生率の上昇,出血を伴ったうっ血,マクロファ-ジの集積など,肺に対する障害が認められた。しかし,呼吸器官における腫瘍の発生は観察されず,GaAsの催腫瘍性は確認できなかった。
2.InAs(0.5mgAs×15回)投与群とInP(0.5mgP×15回)投与群において,対照群に比べてInAs群では体重に有意の低下がみられたが,生存率と腫瘍発生率では一様な傾向を認めなかった。しかし,これらの投与群では,肺の蛋白症様病変や肺胞上皮および細気管支上皮細胞の増生,肺炎,肺気腫,骨化生などが対照群に比べ有意に高率に観察され,肺に対して重度の障害を引き起こすことが認められた。
3.実験期間中(約7ヵ月)に死亡したハムスタ-の走査電顕による観察において,InAs群では細気管支・肺胞領域にInAs粒子の沈着や炎症細胞の浸潤や肺胞中隔の肥厚等が観察された。また,InP群でも肺胞領域にInP粒子の沈着やその周囲に炎症細胞の遊出,線維素の析出等が観察され,これら半導体新素材がかなり長期にわたり肺に停留し,肺にかなり重度の障害をもたらすことが示された。
使用した半導体新素材の肺に対する障害には,化合物の粒度分布や溶解度を始め,物理的・化学的特性が大いに関与していると考えられ,今後さらに詳細な検討がゞ要であろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 堀口 俊一 編,久永 明: "人工新素材の慢性毒性および催腫瘍性について" 日本衛生学会ワ-クショップ「微量元素」報告論文集. 37-44 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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