研究概要 |
正常血圧群4名、高血圧・未治療群4名、高血圧治療群(βーブロッカ-服用)2名の昼勤時および夜勤時の血圧・心拍を15分間隔で24時間測定した。作業内容は、計器類の監視および見回りである。交替制は、4組逆3交替(1直:8:00〜15:00,2直:15:00〜21:00,3直:21:00〜8:00)である。活動区分を「仕事」、「睡眠」、「家庭」にわけ、時間区分を8:15〜12:00,12:15〜16:00,16:15〜20:00,20:15〜0:00,0:15〜4:00,4:15〜8:00として検討した。 1.活動区分ごとの比較:(1)収縮期および拡張期血圧、心泊数は、正常群では昼勤と夜勤との間にはいずれの活動区分でも差異は見られなかった。(2)高血圧・未治療群では夜勤の睡眠時が昼勤に比べ高く、逆に仕事時に低い傾向を示した。 2.時間区分による比較:(1)正常血圧群では、昼勤時と夜勤時の血圧の時間的な推移は、ほぼ逆転していた。 (2)高血圧・未治療群では、昼勤では正常群の推移をほぼ上方へ移動させたようなパタ-ンを示した。(3)夜勤では、0:15〜4:00の時間区分で血圧、心拍数が低下してDipを形成する特徴あるパタ-ンを示した。(4)高血圧・治療群では、昼勤では昼間やや高く、夜にむかって正常群に近づくパタ-ンを、夜勤では夜間は正常群より高くなるもののやはりDipのあるパタ-ンを示した。心拍数はいずれの勤務でも正常群より低く、服用薬剤の効果がみとめられた。以上より、夜勤交替性勤務においては、正常血圧群と高血圧群では、血圧の変動パタ-ンが異なるとの示唆を得た。こうした差異の要因等については今後の検討課題である。
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