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1990 年度 実績報告書

山間地農家における労働負担と健康保持対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670232
研究機関久留米大学

研究代表者

末永 隆次郎  久留米大学, 医学部, 講師 (80131762)

研究分担者 中川 経子  久留米大学, 医学部, 助手 (60217669)
櫻井 忠義  久留米大学, 医学部, 助教授 (80122620)
キーワード複合経営 / 労働負担 / 健康診断 / 農薬散布 / 腰痛
研究概要

山間地で複合経営を行なっている6農家を対象として年間の労働負担の実態を明らかにするとともに、年間にわたる農作業のあり方から時期を変えて約140名(男70名,女70名)について健康診断を実施し、それぞれの時期における健康状態等を把握することを目的とした。今年度は、健康診断をみかんやキウイの出荷が終わる1月と農薬散布期である9月の2回実施した。1月は寒さの影響か肥満,高血圧,境界域高血圧などが多く認められた。9月は夏期で農薬散布などの炎天下での作業のためか肥満者は減少し、逆に痩せの人が増加し体力の消耗の激しさが伺わせた。この農薬散布時の平均心拍数は約120回/分にもなり、かなりの負担がかかっていることがわかった。また農薬散布と関わりのある血清ChE値の1月と9月の変化を健診受診者全員についてみると、男女ともほぼ全員が1月に比べて9月には値が低下していることが認められた。このことは6農家の年間にわたる毎日の農作業時間調査からも5月から農薬散布日数が4.5日から増加し、7.8月には約10日近くにもなり非常に多くなッていたことからも裏付けられるであろう。最近は食生活の改善に伴い血中コレステロ-ルの増加が危惧されているが、ここ山間地農家では逆に低コレステロ-ルの者が比較的多く、食生活上の問題が指摘されるようである。農作業の面からは傾斜地でのみかん、キウイ、タケノコといった重量のある農作物を始終取り扱うことにより腰部への負担が大きいと考えられた。そこで腰痛の発症状況では「一度もなし」が10%足らずで、あとの90%近くは「以前」はなしは「現在」腰痛があるとのことであった。発症要因としては「重い物を持つ」,「中腰」,「前かがみ」など作業動作や作業姿勢が大きく関与していることが明らかとなった。農作業による生体負担の季節変化を体重と血色素量の変動からみているが、体重は大体夏期に血色素量は3.4月頃から7.8月にかけてと11.12月頃の低下が認められ、農作業との関連が伺われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 末永 隆次郎,山田 統子,今村 禎子: "山間地みかん農家の労働と健康(1)ー労働時間と忙しさとの関係ー" 日本農村医学会雑誌. 38. 448-449 (1989)

  • [文献書誌] 末永 隆次郎,山田 統子,守田 久代,今村 禎子: "山間地みかん農家の労働と健康(2)ー蓄積的疲労徴候についてー" 日本農村医学会雑誌. 39. 776-777 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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