高年大学学生の健康状態を把握した。アンケ-ト結果で、回答者は男性318名、平均年齢は69歳、女性155名で68歳であった。以前に重い疾病の既往歴がある者では、高血圧、心臓病、糖尿病が順に多かった。現在治療中の者は45%であり、そのうち半分が高血圧であった。ついで、心臓病、糖尿病、白内障の順であった。最近体調が不良な者は25%であり、原因としては、腰痛、肩こり、息切れ、耳鳴り、手足のしびれ、たちくらみ、頭痛、動悸の順であった。 人生史の四つの時期、「子どもと学校の時期」「勤労する時間」「退職後の活動的な時期」および「老齢で助けられる生活の時期」の中で、第3の時期=「退職後の活動的な時期」の人生の積極的な学習と社会参加と保健が、この時期を長くし、社会的な貢献をもたらし、第4の「老齢で助けられる生活の時期」を少なくすることになることが期待される。基礎疾病を有する者も、身体に障害を有する者も、人生の第3の時期を、可及的に長く、積極的かつ自立した時期として生きることができるかどうか、前向きの比較研究を開始した。 他方で、第4の時期の終末として死を迎えた高齢者(蒲郡市)を保健所で把握し、成人健診の受診の有無、受診者はその内容を7年遡って調査した。その結果、成人健診受診者は死亡年齢が非受者に比べて有意に高く、ADLも良好であることが推測された。現在、協力病院で死亡した症例を症例対照研究している。 アクティブな社会参加が健康にいかなる積極的な影響をもたらすか、どのような活動が寄与するかについての基礎資料が収集できた。
|