研究課題/領域番号 |
02670249
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松木 秀明 東海大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助教授 (90096264)
|
研究分担者 |
春日 斉 東海大学, 医学部. 公衆衛生学教室, 教授 (60096211)
|
キーワード | 室内塵 / ダニ数 / グアニン / 液体クロマトグラフィ- / 予備調査 / 環境因子 |
研究概要 |
昨年度、高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)による室内塵中グアニンの定量法を確立、室内塵中グアニンとダニ数が高い相関を示すことを明らかにした。本年は横浜市内K小学校、全児童486名から無作為抽出した36世帯について予備的な疫学調査を実施した。即ち、7月上旬、各世帯に一週間分の室内塵の収集およびATSーDLD標準化質問票(環境庁日本語版)を用い児童の呼吸器症状、家族構成、住宅構造、暖房様式、床の素材、ペット飼育等の生活形態の調査を実施した。得られた室内塵の総ダニ数はMBA法により室内塵を固定し、実体顕微鏡下でカウントした。また室内塵中グアニン量は前処理後、HPLCにより分析した。その結果、例数が少ないため育意差は認められなかったものの、住宅構造については、総ダニ数、グアニン量共に住宅の気密性、即ち木造木枠窓住宅〈木造モルタル・アルミサッシ窓住宅〈鉄筋・鉄骨住宅の順に平均値は増加した。また暖房器具の種類により、排気型暖房様式と非排気型暖房様式に分類して検討するとダニ数、グアニン量いずれの項目も非排気型家庭により高値を示した。最も顕著な差が認められたものは、居間の床についてであり、ダニ数、グアニン量共に、板張りフロ-リング〈畳〈じゅたん使用の順に高値を示し、有意差も認められた。更に一般家庭の室内塵中のダニおよびグアニン量が生活環境条件により、どの程度説明できるかを検討するため、数量化I類を用いて多変量解析を行った。即ち基準変数をダニ数またはグアニン量とし、説明変数を住宅構造、床の素材、暖房様式、ペットの飼育の有無、建築年数等として解析した。その結果、ダニ数については重相関係数(R^2)は0.676を示し、偏相関係数は床の素材:0.714、建築年数:0.649、ペットの飼育:0.481、寝具:0.406、住宅構造:0.382、を示し、グアニン量についてはR^2=0.735、偏相関係数は床の素材:0.741、建築年数:0.681、寝具:0.422等を示した。
|