本研究には3種のVNTRプロ-ブpYNH24、pYNZ22、pYNZ2および4種のHVRプロ-ブMR24/1、3'Globin、Mucin、Haーrasを用いた。 VNTRプロ-ブと制限酵素の組合せは、pYNH24ーMspI、pYNZ22ーMspI、pYNZ2ーRsaIとした。HVRプロ-ブでは各プロ-ブと6種の制限酵素AluI、HinfI、PstI、PvuII、RsaI、TaqIを組合せ、多型性の判定に適した制限酵素を検索した。その結果MR24/1ーHinfI、3'GlobinーPvuII、MucinーPvuII、HaーrasーPvuIIの組合せが適しているという結果が得られた。 上記のプロ-ブと制限酵素の組合せを用いて日本人集団における遺伝子頻度を求め、排除率・probability of matchingを得た。対立遺伝子数・排除率については以下の通りである。pYNH24ーMspIでは236名について検査し、対立遺伝子数は33、排除率は0.89であった。pYNZ22ーMspI(183名)では対立遺伝子数15、排除率0.83、pYNZ2ーRsaI(185名)では対立遺伝子数5、排除率0.29、MR24/1ーHinfI(141名)では対立遺伝子数37、排除率0.92、3'GlobinーPvuII(167名)では対立遺伝子数39、排除率0.86、MucinーPvuII(169名)では対立遺伝子数10、排除率0.35、HaーrasーPvuII(138名)では対立遺伝子数5、排除率0.25であった。これら7種プロ-ブの総合排除率は0.999932という高い値となった。また各々について得られた2random personのprobability of matchingを総合すると、3.55_x10^<ー11>という優れた値が得られた。以上よりsingle locusDNAプロ-ブは、個人識別・親子鑑定に極めて有用であることが明らかになった。
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