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1990 年度 実績報告書

急性メタンフェタミン中毒死の際の呼吸・循環の経過に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670253
研究機関山形大学

研究代表者

鈴木 庸夫  山形大学, 医学部, 教授 (70004588)

研究分担者 池田 典昭  山形大学, 医学部, 助手 (60176097)
梅津 和夫  山形大学, 医学部, 講師 (10091828)
キーワードメタンフェタミン / 急性中毒死 / 呼吸と循環
研究概要

犬にメタンフェタミンをゆっくり静脈注射した際の急性中毒死に至る濃度は約60mg/kgで,この際,死亡に至るまでの全経過時間は5〜7分程度であった。この全経過時間は、シンナ-等の有機溶剤中毒による死亡の際の経過に比べて明らかに短かかった。
メタンフェタミン急性中毒死例では,メタンフェタミン注入直後より呼吸は大きくなり,1〜2分後に停止した。血圧・脈圧も急激に上昇した後,徐々に小さくなり,呼吸停止とほぼ同時期に0となった。これに対して脳波はメタンフェタミン注入による影響をほとんど受けず,注入直後にわずかに電位が上昇したのみであった。また脳及び肝臓におけるPO_2は主として呼吸による影響をうけて上下したが、メタンフェタミンそれ自体によると考えられる変動は記録されなかった。心電図はメタンフェタミン注入直後より大きく乱れ,注入直後QRS波形の電位が著しく上昇した後,陰性に逆転して大きな陰性波形を示した後,突然心停止をきたした。
急性中毒死亡例における血中メタンフェタミン濃度は,心臓筋肉・腎臓組織でほぼ同じレベルで,各臓器や血中のメタンフェタミン濃度のうち最も高く,血中濃度のほぼ2倍に達していた。肝臓ではほぼ血中濃度と等しく,脳組織では心筋のほぼ10分の1の濃度しかメタンフェタミンは含まれていなかった。
病理組織学的検査では,各臓器とも従来から報告されている,急性メタンフェタミン中毒死の際に観察された所見を示した。
以上の結果より,覚醒剤メタンフェタミンによる急性中毒死では,血中に注入されたメタンフェタミンが,注入直後より心筋に選択的に蓄積して直接作用し,心筋の興奮性を著しく亢進させ,その結果,心筋の過興奮後に突然の心停止を来たし,これによって急死すると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] NORIAKI IKEDA: "The Course of Respiration and Circulation in TolueneーSniffing" Forensic Science International. 44. 151-158 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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