研究課題/領域番号 |
02670262
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 恒二郎 九州大学, 医学部, 講師 (30153191)
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研究分担者 |
永田 武明 九州大学, 医学部, 教授 (00078586)
今村 徹 九州大学, 医学部, 助手 (00193681)
工藤 恵子 九州大学, 医学部, 助手 (10186405)
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キーワード | 揮発性物質 / ガスクロマトグラフィ- / 気化平衡法 / 塩析効果 / シンナ- |
研究概要 |
1.乱用揮発性物質分析のためのガスクロマトグラフィ-及びガスクロマトグラフィ-/質量分析法(定性および定量条件)の検討について. 乱用頻度の高いシンナ-について,分析条件の確立を試みた。一般に市販されているシンナ-の主成分は.分析の結果、トルエン、酢酸エチルおよびイソブタノ-ルであり、この3種類を同時に効率よく分析できる定性条件が、ガスクロマトグラフィ-を用いて確立された.定量の際には.内部標準物質として上記3成分のいずれをも妨害しないロ-キシレンを選択し.良好な検量線と,再現性が得られた。ガスクロマトグラフィ-/質量分析法を用いることによって.検出感度の上昇と物質の確定が可能となった。 2.試料調整法の検討(気化平衡法あるいは有機溶媒抽出法など)。 一般に揮発性物質の分析には.気化平衡法や有機溶媒抽出法(質量数が大きい物質の場合)が用いられている。シンナ-の場合、上記分析方法を用いれば.トルエンおよび酢酸エチルに関しては気化平衡法のみで実際の試料においても十分分析が可能であった。他方、イソブタノ-ルについては、実際の試料を使用した場合、水溶性のため感度が低下した。そこで、気化平衡法をより効率よく行うために塩析効果を利用した。塩析効果用の塩としては、安価で塩析効果も大きい塩化ナトリウムを選択し.試料調整の際に少量を添加した。この操作を行なうことによって.イソブタノ-ルの感度は数倍にも上昇し、さらに、トルエンおよび酢酸エチルについても若干の感度が認められた。 今後は.体組織中からのシンナ-成分の証明法について詳細な検討を行うとともに.実験動物を用いて.上記の分析方法および試料調整法の適応性について検討する予定である。
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