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1991 年度 実績報告書

乱用揮発性物質の法医学的検出とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670262
研究機関九州大学

研究代表者

木村 恒二郎  九州大学, 医学部, 講師 (30153191)

研究分担者 浦川 成美  九州大学, 医学部, 助手
今村 徹  九州大学, 医学部, 助手 (00193681)
工藤 恵子  九州大学, 医学部, 助手 (10186405)
永田 武明  九州大学, 医学部, 教授 (00078586)
キーワード揮発性物質 / ガスクロマトグラフィ- / 気化平衡法 / 塩析効果 / シンナ-
研究概要

実験動物を用いたシンナ-経口投与実験について
標準シンナ-溶液(トルエン:酢酸エチル:イソブタノ-ル=8:1:1)1mlをラットに経口投与し、屠殺後、0、6、12、18、24および48時間放置後の体組織中シンナ-成分濃度の変化について、前年度確立した塩析効果を併用したガスクロマトグラフィ-を用いて追跡した。胃内容からは48時間後までトルエン、酢酸エチル、イソブタノ-ルおよび酢酸エチルの代謝物であるエタノ-ルが検出された。トルエンは各体組織中に検出され、肝、肺、腎および腹筋では時間の経過ともに濃度が上昇した。血液および脳での濃度上昇は小さく、大腿筋では48時間後も濃度上昇はなく、その値は死直後の血液中濃度とほぼ同じであった。インブタノ- ルは死直後はいずれの体組織中にも検出されなかったが、血液、肝、肺、腎および腹筋では時間経過とともに濃度上昇が認められた。脳での濃度上昇はわずかで、大腿筋では48時間を通して濃度上昇は認められなかった。
トルエンおよびイソブタノ-ルは、死後経過時間とともに胃内から血液、胸、腹腔臓器および脳へ拡散するが、大腿筋までは拡散しないことが示された。大腿筋のトルエン濃度は安定しており、死直後の血液中濃度にも近いことから、死後のシンナ-成分濃度測定には大腿筋のように腹腔から離れた部位にある試料が適当と考えられた。酢酸エチルは胃壁を通して拡散するが、その後、体組織中のエステラ-ゼによって急速に分解されるため検出可能となることが分かった。
今後は、シンナ-以外の油類(灯油や軽油)について、その分析や異同鑑別法について研究する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.KIMURA: "Postmortem Chamges of Ingested Thinner Components in Tissues" Jpn.J.Legal Med.45(3). 222-226 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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