研究課題/領域番号 |
02670268
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 二士夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (70154979)
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研究分担者 |
徳永 勝士 東京大学, 医学部(病), 助手 (40163977)
中野 啓一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (10090490)
松多 邦雄 東京大学, 医学部(病), 講師 (80143436)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 慢性関節リウマチ / HLA-DR / C4AQ0 / アデノウィルス / 民族 / 自己抗体 / EBウィルス / 疾患感受性遺伝子 |
研究概要 |
本研究では、慢性関節リウマチ(RA)の遺伝背景をMHCクラスII及びIIIについて検討し、RAの病因について考察した。HLADRβ鎖上の70-74番目のアミノ酸QRRAAをコードする配列との最も強い相関が確認された。同配列は、Dw15、DR1、Dw16に共通し、Dw4、DR10と近似している事から、民族を越えたRAの疾患感受性配列と考えられる。同配列は韓国RAとも相関し、韓国ではQKRAAの関与も認められた。又、β鎖の全体構造も重要と考えられる。C4AQ0も日本人RAと相関するが、白人型の欠損型ではなく、QRRAAや特定のDRとの相関はみられなかった。韓国でも増加していたが、有意なものではなく、C4B5は日韓ともにDw15に相関して増加していた。C4AQ0の非白人欠損型はSLE、PSSでも増加していたが、今回しらべた検体中にはC4AQ0のホモ接合体はみつからなかった。遺伝要因の有無は、病気の進行や、RA因子、炎症等の臨床像には影響せず、発症後は遺伝要因が異なっても比較的似た経過をとると考えられる。しかし、林の数量化II類を用いた判別分析では、遺伝要因の有無で患者をクラスターに分けられた。QRRAAの病因的意義を検討する為ホモロジーサーチを行った結果、いくつかのホモロジーをもつ因子がみつかった。このうちEBウィルスはRAで高抗体価を示すがQRRAAの有無と関連せず、臨床所見とも関連しなかった。アデノウィルスV型に対する抗体も、RAと正常で差を認めなかった。QRRAAを含むペプチドに対する自己抗体がRAで認められ、特にQRRAAをもつ群で高頻度であった。本抗体はRA患者の関節液中でも検出されたが、病因的意義は不明である。本研究を通じ、RAの発症に遺伝要因が関与する事が明らかになったが、発症機序、ウィルス他の環境因子との関連などの研究も今後必要と考えられる。
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