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1990 年度 実績報告書

急性賢不全の腎機能障害の機序・治療に関する研究(特にエンドセリンの役割について)

研究課題

研究課題/領域番号 02670273
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

富田 公夫  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40114772)

キーワード急性賢不全 / エンドセリン / 尿細管 / 抗利尿ホルモン / cAMP / マイクロダイセクション / マイクロパ-ヒュ-ジョン
研究概要

基礎的検討:1.虚血性急性腎不全におけるエンドセリンの関与を、ラットを用いて検討した。両側腎動脈虚血、片側腎動脈虚血、片腎摘出片側腎動脈虚血などのモデルにおいて、30分、45分、60分の虚血に対し、血清クレアチニン濃度、および血漿エンドセリン濃度の推移を検討したが、両側腎動脈虚血の45分虚血モデルが、モデルとして適当と思われた。術後7日まで検討してみると、血清クレアチニン濃度は上昇を示し、血漿エンドセリン濃度は2日目がピ-クで除々に回復した。組織中エンドセリン含有量も2日目がピ-クを示し、腎でのエンドセリン産生の可能性が示された。2.急性腎不全での体液調節におけるエンドセリンの役割について検討した。エンドセリンによる急性腎不全では糸球体ろ過量が低下するが、尿量が保たれていたり、むしろ尿量が多い場合もみられる。この機序の1つとして抗利尿ホルモンの作用に対する、エンドセリンの作用をラット尿細管について検討した。抗利尿ホルモンによるCAMP産生量に対する作用を、ヘンレル-プ、皮質集合尿細管、髄質外層集合尿細管、髄質内層集合尿細管、などにおいて検討したところ、エンドセリンは皮質から髄質全ての集合尿細管のCAMP産生を抑制した。さらにこれらの部位において生理的役割を検討するために、一本の尿細管を潅流し、水、電解質輸送に対する影響を検討したところ、皮質部では、水クロ-ル、髄質部では、水の再吸収を抑制しており、エンドセリンは、水利尿作用を持っていることがわかった。
臨床的検討:急性腎不全の回復過程における血清クレアチニンと血漿エンドセリンの経過について詳細に検討した。急性期でエンドセリンは高値を示し回復とともに低下した。前後関係がはっきりしない例が多いがエンドセリン上昇の直後に腎機能が増悪した例もありエンドセリンの関与が示唆された。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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