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1990 年度 実績報告書

糸球体腎炎の進展機序の基礎的解析

研究課題

研究課題/領域番号 02670275
研究機関新潟大学

研究代表者

荒川 正昭  新潟大学, 医学部, 教授 (80069012)

キーワード糸球体腎炎 / メサンギウム細胞 / 細胞外基質 / 基底膜 / Glycosaminoglycan / IV型collagen / 糖尿病 / Integrin
研究概要

我々は、主に培養メサンギウム細胞(MC)が産生する細胞外基質である基底膜成分の動態、さらに細胞ー基質間あるいは細胞ー細胞間の相互の作用について研究してきた。プラスチック上で培養したMCが産生するGlycosaminoglycan(GAG)の定量、分析、特にTGFーβがMCのGAG産生を促進することについて、Clin.Exp.Immunol.に発表した。さらに、細胞株HRー9が産生した基底膜様物質上で培養したMCは、プラスチック上と比べて多量のGAGを産生することを明らかにし、また、そのMCに電顕的観察により細胞骨格の変化をみとめ、基質の存在がMCの形態、機能に影響を及ぼすことを、第11国際腎学会で発表した。さらに、病的状態における細胞ー基質間相互作用を検討するため、糖尿病状態に近似した糖化基質上でMCを培養したところ、GAGの産生が亢進することを確認した。現在、このような状態での、MCにおける各種基底膜成分(IV型collagen、lamininなど)のmRNAの発現を、Northern blot法を用いて解析中である。また、糖尿病発症ラット(WBN/KoB)の血清中に、MCの増殖を促進する因子が存在することを、第33回日本糖尿病学会で誌上発表したが、さらに、この因子がMCの基質産生にも作用するか検討中である。病的状態における基質成分の異常は、アルポ-ト症候群や基底膜菲薄症候群におけるIV型collagen遺伝子の解析を足がかりとして、DNAレベルからも検討中であり、第23回米国腎学会で成果を発表した。細胞ー基質間相互作用において重要な役割を演ずると考えられる、MCの基質に対するreceptor(integrin)の発現も、現在、そのcDNAプロ-ブや抗体を準備し、検討を進めている。細胞ー細胞間相互作用については、直接接触により、内皮細胞がMCの増殖に影響を及ぼすことを明らかにし、第23回米国腎学会で発表し、論文を投稿中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ichiei Narita: "Monocyte secrete factors regulating glycosaminoglycan synthesis in mesngial cells in vitro." Clin.Exp.Immunol.84. (1991)

  • [文献書誌] I.Narita: "Glycosaminoglycan(GAG)and collagen synthesis of cultured rat mesangial cell(MC)is altered by cultrue suvstratum and recombinant interleukin 1 (ILー1)" XIth International congress of nephrology. 69A (1990)

  • [文献書誌] 荻原 忠久: "自然発症糖尿病ラット血清の培養ラットメサンギウム細胞増殖に及ぼす影響" 糖尿病. 33supl.116 (1990)

  • [文献書誌] Akihiko Saito: "Analysis of the transcripts of type IV collagen gene in the kidney and skin biopsy specimens of hereditary renal disorders by polymerase chain reaction (PGR)." J.Amer.Soc.Nephrol.1. 302 (1990)

  • [文献書誌] Takako Saeki: "Coーcultrue of vascular endothelial cells and mesangial cells:modulation of mesangial cell proliferation." J.Amer.Soc.Nephrol.1. 554 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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