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1991 年度 実績報告書

糸球体腎炎の進展機序の基礎的解析

研究課題

研究課題/領域番号 02670275
研究機関新潟大学

研究代表者

荒川 正昭  新潟大学, 医学部, 教授 (80069012)

研究分担者 中川 洋一  新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (80211415)
キーワード糸球体腎炎 / メサンギウム細胞 / メサンギウム基質 / サイトカイン / コラ-ゲン / 細胞外マトリックス
研究概要

糸球体腎炎は、メサンギウム(M)細胞または基質の増殖と定義されるが、私たちは培養M細胞を用いて、その増殖や基質の産生に影響を及ぼす因子について検討してきた。成田らは、単球培養上清中にM細胞増殖を促進する液性因子があることを見出し、Clin.Exp.Immunol.に発表した。また、佐伯らは、M細胞と内皮細胞の共培養系を用いて、M細胞の増殖は、内皮細胞との接着により影響されることを見出し、Amer.J.Pathol.に発表した。
本年度は、さらにこれらの研究を発展させ、種々のサイトカインと細胞外マトリックスの培養M細胞への影響を検索した。まず、サイトカインについては、ILー1、ILー6、TGFーβについて検討し、TGFーβが ^<35>Sや ^3HーGlucosamineの取り込みの増加、すなわち細胞外マトリックスであるGlycosaminoglycanの産生を促進することを見出した。これらの取り込みは、M細胞を細胞外マトリックス上で培養することで、さらに促進されたことから、M基質の増殖にはTGFーβなどの液性因子のみらず、細胞ーマトリックスの相互作用も影響することが判明した。
M細胞の増殖については、細胞数算定、 ^3Hーthymidine取り込みによる検討から、I型コラ-ゲン上で培養すると、基底膜コラ-ゲンであるIV型コラ-ゲン上で培養するよりも、細胞増殖が促進された。このことは、腎炎症例において、M領域に正常ではみられないI型コラ-ゲンの発現がみられることと考え合わせると、腎炎における細胞外マトリックスの質的変化がM細胞自身の増殖をもたらす可能性を示唆しており、興味深い。さらに、Northern Blotを用いてmRNAレベルでの検討を行ったころ、I型コラ-ゲン上での培養では、種々の細胞外マトリックスのmRNA発現が上昇していた。これらの成果については現在投稿準備中であり、次年度にはさらに詳細な検討を加えていく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ichiei Narita: "Monocytes secrete factors regulating glycosaminoglycan synthesis in mesangial cells in vitro." Clin.Exp.Immunol.83. 497-504 (1991)

  • [文献書誌] Takako Saeki: "Modulation of mesangial cell proliferation by endothelial cells in coculture" Amer.J.Pathol.139. 949-957 (1991)

  • [文献書誌] 斎藤 亮彦: "アルポ-ト症候群" 実験医学増刊. 9. 151-154 (1991)

  • [文献書誌] Akihiko Saito: "Construction and characterization of a notl linking library of human chromosome 21." Genomics. 10. 618-630 (1991)

  • [文献書誌] 成田 一衛: "腎糸球体における細胞増殖と基質増加の機構" 症態生理. 10. 821-823 (1991)

  • [文献書誌] Akihiko Saito: "An alternative splicing in noncollagenous(NC)domain region of type IV collagen α5ーchain gene" J.Amer.Soc.Nephrol.2. 560 (1991)

  • [文献書誌] Takako Saeki: "Structural basis for glomerular dysfunction" T.Oite edited,Nishimura GordonーSmith, 195 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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