研究課題/領域番号 |
02670304
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
猪川 嗣朗 鳥取大学, 医学部, 教授 (70032183)
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研究分担者 |
小原 ひろみ 鳥取大学, 医学部, 助手 (40032221)
武良 哲雄 鳥取大学, 医学部, 講師 (80093631)
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キーワード | ラット初代培養肝細胞 / 胆汁酸結合蛋白質 / 微小胆管の再形成 / 細胞極性 / 標識結合蛋白質の分布 / アクチフィラメント / β-ルミコルヒチン / コルヒチン |
研究概要 |
微小胆管におけるエクトエンザイムの酵素誘導は細胞間の接触を形成してから10-12時間後に認められた。また、その誘導はシクロヘキシミドにより阻害されることから蛋白質合成を介して行われる遺伝子の転写促進によると考えられる。そこで網状赤血球ライセートの無細胞蛋白質合成系でその翻訳量を測定するも良い結果は得られなった。さらに、アルカリホスファターゼのmRNAレベルはデキサメサゾン処理後に細胞中のレベルは上昇し、ホルモン添加後12時間で最大に達するが、次いで次第に減少した。 一方、肝細胞膜からの微小胆管側に存在すると考えられる分子量100kDの標識タウロコール酸と結合する蛋白質を部分精製し、この胆汁酸に対する結合蛋白質のScatchard解析によるKd値は20μMであった。ところが、標識ウルソデオキシコール酸(^<14>C)による解析ではKd値が38μMと明らかに前者と異なっていた。両者のScatchard解析の差は、胆汁酸の種類の差によるもであるか、あるいは抱合型の差によるものであるか不明であるので、現在さらにこの胆汁酸結合蛋白質を精製中である。また、ラクトペルオキシダーゼ法により放射性ヨウ化ナトリウムでこの結合蛋白質を標識した後に培養肝細胞に添加すると細胞間の接触面に多く集まることからこの部位に微小胆管形成が認められると考えられる。さらにこの部位はアクチンフィラメントの蛍光染色部位とみられるので、コルヒチン、β-ルミコルヒチンおよびコルセミド等の阻害剤を添加し、標識胆汁酸結合蛋白質との比較を行っている。
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