研究分担者 |
竹内 正 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075170)
渡辺 伸一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70075399)
森吉 百合子 東京女子医科大学, 医学部, 助手
清水 京子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90187451)
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研究概要 |
(1)胃液,ガストリン分泌調節におけるセクレチンの生理的な役割を検討した。健常人で、食後の血中ガストリン反応がH_2括抗薬で増強すること、生理学的な量のセクレチンがこのガストリン反応の増強を抑制することを示した。さらに、すでに報告したセクレチン遊離薬剤の併用が、H_2括抗薬で抑制されたセクレチン放出を増強し,ガストリン反応を抑制することから,セクレチンが食後のガストリン放出に対し生理的な抑制作用を有することを証明した。腸相における胃酸分泌抑制機構をラットで検討し,十二指腸内オレイン酸投与による著明な胃酸分泌の抑制と血中セクレチンとコレシストキニン(cck)の上昇を認めた。この酸分泌抑制は,セクレチン抗血清によるimmunoneutralizationによってのみブロックされ,cck括抗薬は影響しないことから,腸相における胃酸分泌抑制にはcckよりもセクレチンが重要な役割を果たしていることを明らかにした。また,セクレチンの胃酸分泌抑制機構に,胃粘膜内のプロスタグランジンが関与していることも示唆された。 (2)膵液分泌に関して,ラットで生理的な量のセクレチンとcckの相乗作用を証明した。また,脂肪(オレイン酸)の十二指腸投与による膵外分泌の増加が,セクレチンとcckの両ホルモンの遊離によることを明らかにした。そして,cck括抗薬が,オレイン酸で増加する膵酵素分泌のみを抑制することから,脂肪酸による膵外分泌刺激性はセクレチンの関与が大きいことを示した。さらに,ソアトスタチンアナログ(SMS201ー995)の膵外分泌抑制効果を,外因性刺激(セクレチン+cck)と内因性刺激(十二指腸内オレイン酸投与)の両方で検討したが,SMSはいずれの刺激による膵外分泌の増加も用量依存性に抑制し,しかも,セクレチン,cckの遊離を抑制することを証明し,膵外分泌抑制薬としての有用性を示した。
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