研究分担者 |
坂本 雅晴 久留米大学, 医学部, 助手
権藤 和久 久留米大学, 医学部, 助手
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
犬塚 貞孝 久留米大学, 医学部, 助手 (80193572)
|
研究概要 |
肝類洞の構造は毛細血管の構造に非常に類似している。毛細血管周囲に存在するpericyteは収縮,弛緩を行ない毛細血管の血流調節に関与している。ところで、Disse腔に存在する伊東細胞(Fatーstoring cell)は形態学的にpericyteと類似し、機能的にも類似していることが推測され、伊東細胞が収縮する可能性がありえる。そこで、強い血管作動性をもつsubstance P(SP)やendothelinー1(ETー1)と伊東細胞との関わりについて研究し、伊東細胞の収縮の可能性について検討中である。 伊東細胞の収縮能に関する私共の平成2年度における研究成果として 1. ^<125>IーSPを用いたオ-トラジオグラフィ-によるヒト肝の伊東細胞におけるSP receptorの局在の検討では、伊東細胞の細胞膜を中心に ^<125>IーSPのgrainの局在を認め、伊東細胞にSP receptorが存在していることが示唆された。 2. ^<125>IーETー1を用いたオ-トラジオグラフィ-によるラット伊東細胞におけるETー1 receptorの局在について検討した。ラット伊東細胞に関してはin vivoおよび分離,培養伊東細胞を用いたin vitroによる検討を行なった。その結果、in vivo,in vitroにおいてラット伊東細胞には数多くの ^<125>IーETー1のgrainを認め、ラット伊東細胞にETー1 receptorが存在していることが示唆された。 3.ラットの分離,培養伊東細胞に種々の濃度のETー1を加え、伊東細胞の収縮能を検討した。その結果、伊東細胞はETー1により濃度依存性に収縮率が増加し、さらにETー1を除去することにより伊東細胞の収縮率が減少し、1時間後にはETー1投与前の面積まで回復したことより、伊東細胞がETー1により明らかに収縮することが示された。
|