研究課題/領域番号 |
02670330
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
上野 隆登 久留米大学, 医学部, 助手 (70176618)
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研究分担者 |
坂本 雅晴 久留米大学, 医学部, 助手 (60248367)
権藤 和久 久留米大学, 医学部, 助手 (00186909)
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
犬塚 貞孝 久留米大学, 医学部, 助手 (80193572)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 伊東細胞(Fat-storing cell) / 収縮 / 肝微小循環 / エンドセリン-1 / サブスタンスP / カルモジュリン / アクチン / ミオシン |
研究概要 |
肝のDisse腔に存在する伊東細胞(Fat-storing cell)は、毛細血管周囲に存在し収縮、弛緩を行ない毛細血管の血流調節を行なっている周細胞と非常に類似し、機能的に周細胞と同時に収縮、弛緩する可能性がある。そこで私共は伊東細胞の収縮能について検討を行なった。その結果、 1.強い血管作動性物質であるエンドセリン-1(ET-1)、サブスタンスP(SP)の伊東細胞における結合部位を^<125>I-ET-1,^<125>I-SPを用いたオートラジオグラフィーにより検討し、ヒトやラットの伊東細胞にはその他の肝内細胞に比較し、より多くの^<125>I-ET-1,^<125>I-SPのグレインを認め、ヒトやラットの伊東細胞にそれらのリセプターが存在していることが示された。 2.収縮性蛋白であるアクチン、ミオシンおよびCa^<2+>担体のカルモジュリンの正常ヒトの伊東細胞における局在について免疫組織化学を用いて検討し、アクチン、ミオシン、カルモジュリンがヒトの伊東細胞内に局在し、伊東細胞が収縮能をもつことが示唆された。 3.ラットの分離培養伊東細胞に種々の濃度のET-1やSPを加え、伊東細胞の収縮について検討し、伊東細胞が濃度依存的に縮小した。しかし、ET-1とSPに対する収縮動態は異なっていた。 4.肝内におけるET-1の産生細胞を培養肝内細胞を用いて検討し、培養類洞内皮細胞によるET-1の産生が示唆された。 5.非肝疾患、肝硬変症患者の門脈、未梢血中のET-1濃度を測定し門脈、末梢血中共に肝硬変症患者の方が非肝疾患患者より高値を示し、ET-1が肝硬変症の肝類洞微小循環に何らかの影響を与えていることが示唆された。
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