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1990 年度 実績報告書

過敏性肺炎患者Tリンパ球の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 02670335
研究機関筑波大学

研究代表者

吉澤 靖之  筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (20174914)

研究分担者 藤田 禎三  福島県立医科大学, 生化学, 教授 (20134223)
佐藤 哲夫  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40138756)
矢野 平一  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10191173)
大塚 盛男  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00143173)
キーワード過敏性肺炎 / T細胞リセプタ- / 気管支肺胞洗浄液中リンパ球 / α鎖の可変部領域 / β鎖の可変部領域
研究概要

過敏性肺炎における病変の持続には細胞性免疫が重要と考えられ,病変部位には主としてTリンパ球の集積がみられる.病変局所から気管支肺胞洗浄(BAL)にて得られたTリンパ球(PBL)のT細胞リセプタ-(TCR)のレパ-トリ-について解析を加え,末梢血リンパ球と比較した。解析には可変部(V)領域,すなわちβ鎖の5,6,8,12ファミリ-およびα鎖の2に対して反応する特異的なモノクロ-ナル抗体を用いた.
1】夏型過敏性肺炎患者9例中5例のBALリンパ球でTi3A(βV8(a)に対する抗体)陽性細胞が5%以上であった.CD3のtwo colorでみるとすべてCD3陽性であった.すなわちβV8(a)のTCRを持ったTリンパ球の集積が認められ,TCRのβ鎖の再構成に偏りが推測された.一部の症例でβV8(a)はCD8細胞に優位であったが,ほとんどがCD4,CD8の両者に陽性であった.PBLでは1例だけ観察された。2】16G8(βV8(a))で認識されるTCRは,9例中6例のBALリンパ球で5%以上を示し,PBLでも9例中3例に認められた.3】W112(βV5(b))が9例中1例のBALリンパ球で5%以上を示し,LC4(αβV(a))も同様に9例中1例であった.PBLでも9例中1例に5%以上であったが,BALリンパ球とPBLとは一致した所見を示さなかった.4】鳥飼病では2例中1例のBALリンパ球にTi3A(βV8(a))が5%以上を示し,PBLでも1例に認められたが,両者は別々の症例であった.1例の無症候鳥飼育者ではとくに高値を示すTCRが検出されなかった.5】鳥飼病1例から得たBALリンパ球とPBLを,抗原あるいはPHAで刺激して特定のクロ-ンが増殖するかどうか検討したが,刺激前後で差を認めなかった.
以上,過敏性肺炎症例の一部はTCRに偏りがみられ,特定の細胞クロ-ンが集積している可能性が示唆された.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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