ラジオイムノアッセイ法により、モルモット気道のPHI様免疫活性を測定した。すなわち、モルモットにマイクロ波を照射後採取した気管、肺外気管支および肺を酢酸存在下にホモジナイズし、煮沸後、遠心して得られた上清を凍結乾燥し、測定に供した。PHI様免疫活性は、気管6.85±2.75ng/g湿重量、肺外気管支2.26±0.27ng/g湿重量、肺0.75±0.90ng/g湿重量で、気管、肺外気管支、肺の順に多く、PHIは中枢気道に多く存在することが示唆された。3μg/kg/hnロイコトリエンC_4(LTC_4)をモルモットに静脈内投与すると、動的呼吸抵抗が明らかに増加した。そこで、3μg/kg/hrLTC_4静脈内投与前後のPHI様免疫活性を測定すると、モルモット気管におけるPHI様免疫活性は6.85ng/g±2.75ng/g湿重量と3.01±1.69ng/g湿重量で、LTC_4投与後にPHI様免疫活性は有意に低下した。同様に、肺外気管支では、LTC_4投与前後のPHI様免疫活性は2.26±0.27ng/g湿重量と0.07±0.05ng/g湿重量で、LTC_4投与後にPHI様免疫活性が有意に低下した。つぎに、喘息の病態に関与すると考えられる炎症細胞からのスーパーオキシド産生に及ぼすドゾアクティブインテスライナールペプチド(VIP)の効果について検討した。すなわち、健常人末梢血より分離した好中球、好酸球、単核球、気管支肺胞洗浄液より得られた肺胞アクロクアージ、およびインターフェロンαによりスーパーオキシド産生能を誘導したヒト単球系細胞株U937の5種類の細胞を用いて、10^<-5>MfMLP刺激によるスーパーオキシド産生を、ウミホタルルシフェリン誘導体MCLAの化学発光を用いて測定した。その結果、VIPは3×10^<-6>M以下の濃度で、好中球単核球およびU957のfMLP刺激によるスーパーオキシド産生を濃度依存性に抑制した。好酸球および肺胞マクロファージからのスーパーオキシド産生も、3×10^<-6>MVIPにより明らかに抑制された。
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