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1990 年度 実績報告書

高地肺水腫発症における呼吸調節障害の関与

研究課題

研究課題/領域番号 02670340
研究機関信州大学

研究代表者

松澤 幸範  信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40219423)

研究分担者 酒井 秋男  信州大学, 医学部・附属心脈管研究施設, 助教授 (70020758)
上田 五雨  信州大学, 医学部・附属心脈管研究施設, 教授 (10020702)
関口 守衛  信州大学, 医学部, 教授 (70075232)
久保 恵嗣  信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
小林 俊夫  信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80020775)
キーワード急性高山病 / 高地肺水腫 / 低酸素換気応答能 / 肺ガス多換 / 呼吸調節 / 低酸素性換気抑制
研究概要

(1)急性高山病(AMS)発症における呼吸調節障害の関与について.AMSの発症機序を研究することにより,その重症型である高地肺水腫(HAPE)との関連性を検討した.人工気象タンクを用い健常な低地居住者9名を対象として24時間の高地暴露実験(3,700m)を行った.その結果7名においてAMS症状が出現し,このうち4名で終了直後に行った頭部MRIに軽度の脳浮腫を認めた.AMS症状は実験終了後速やかに軽快しており,比較的軽いAMSにおいても脳浮腫が存在することを初めて証明した興味深い結果と考えられる.その4名では他の5名に比べ,高地到達後1時間目からより強い低酸素血症を示し24時間続いた.また1時間目において相対的肺胞低換気を示し,あらかじめ行った低酸素換気応答能(HVR)で低値を示した.これは,強い高山病症状を起こす人はHVRが低いとする過去の報告を支持する結果であった.しかし24時間後この4名はかえって相対的過換気を示し,過去の報告と異なる結果を示した.同時にAーaDO2の開大,肺活量の低下を認めたことから,この時点でなんらかの肺ガス交換異常が起こっている可能性も示唆された.以上,AMSにおける脳症状と肺症状との関連性,ならびにAMSからHAPEへの移行のメカニズムについて考察するうえで示唆に富む結果が得られた.(2)高地肺水腫症例における検討.HAPE既往者がHVRが低値を示すことはすでに我々によって報告された.しかし正常なHVRを示す例もあり必ずしも一様ではなく,そこでこれら既往者が実際に高地(3,200m)に暴露された際にいかなる反応を示すかを検討した.その結果既往者群は非既往者群に比べより強い低酸素血症を示し,かつ相対的肺胞低換気も認め,これはHVRの低いことに由来すると考えられた.さらに最も強い低酸素血症を示した1例ではかえって換気量が低下し低酸素性換気抑制の関与と共にAーaDO2の開大も認め肺ガス交換異常の関与も示唆され,HAPE発症における呼吸調節障害の関与の可能性が示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松沢 幸範: "急性高山病発症における呼吸調節障害の関与" 登山医学. 10. 151-154 (1990)

  • [文献書誌] 上田 五雨: "急性高山病の成因.症状のファジ-論的解釈" 登山医学. 10. 145-149 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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