研究課題/領域番号 |
02670342
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久世 文幸 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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研究分担者 |
鈴木 克洋 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (00206468)
田中 栄作 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (30183461)
網谷 良一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (70167964)
鈴木 康弘 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (90027110)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | M.avium complex / マクロファ-ジ / サイトカイン / BRM / 肉芽腫 / 副腎皮質ホルモン / 新リファマイシン系薬剤 |
研究概要 |
Mycobacterium avium complex(MAC)は、肺を中心に慢性難治性の病巣を形成する抗酸菌で、近年臨床での重要性を増しており、その病態の解明と治療法の開発は急務と考えられる。MAC症の克服のために、a)MAC症における生体防御反応の特殊性の解明、b)宿主生体防御機構を活性化させる治療法の開発(広義のBRM療法)、c)広義のBRM療法と薬剤療法との組み合わせによる治療法の開発、d)新しい薬剤の開発等が必要と考えられるが、我々は、上記、a)、b)、c)の3点を目標として、2年間の研究を行い一定の成果を得たのでここに報告する。 (1)マウス実験的M.avium complex(MAC)靜注感染系において全肺洗浄により得られた細胞と肺組織の表面抗原発現をそれぞれFACSと免疫組織化学で検討した結果、肉芽腫形成が著明となる感染9週目には肉芽腫肉のリンパ球は主にCD4腸性細胞であるが、肉芽腫以外の病変部ではCD8腸性リンパ球の方がCD4陽性リンパ球に比べて優勢に存在していることが判明した。 (2)各種サイトカインにより活性化したマクロファ-ジのMACに対する殺菌能をin vitroで検討した。TNFαとGMCSFにより活性化したマクロファ-ジに増殖抑制作用が認められた。 (3)マウスMAC感染モデルにおいて上記のin vitro実験で有望と考えられたTNFーαおよびその類縁物質であるTNFーβを投与し、感染に対する防御効果を検討した。TNFーα投与群で感染6週目に至り、対照群に比し肺内生菌数の有意な減少を認めた。 (4)マウスMAC感染モデルにおいてBRMと薬剤の併用効果を検討した。BRMとして副腎皮質ホルモン(ハイドロコ-チゾン3.75mg/週)、薬剤はMACに対して、MICの低い新しいrifamycin系薬剤kRM1648(20mg/hg/日)を投与した。感染後5週目では両者併用群の生菌数は薬剤単独投与群に比べ肺、脾ともに低い傾向にあるものの有意ではなかったが、10週目では肺では生菌数は有意に低くなり、また、組織の肉芽腫形成、炎症も軽度であった。
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