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1991 年度 実績報告書

咳嗽の発現機構と治療の研究:サブスタンスPの遊離制御について

研究課題

研究課題/領域番号 02670343
研究機関熊本大学

研究代表者

興梠 博次  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00178237)

キーワード咳嗽 / サブスタンスP / タキキニン / カプサイシン / エンケファリナ-ゼ / 無髄求心神経 / テトロドトキシン / 免疫反応
研究概要

1)免疫反応のよる気道からのサブスタンスPの遊離についてin vivoでの研究
麻酔下に感作モルモットの肺抵抗を測定した。抗原で気道収縮を誘発させた後に、サブスタンスPの分解酵素エンケファリナ-ゼを阻害することにより、その気道収縮が増強した。次に、感作モルモットにカプサイシンを全身投与し、内因性のサブスタンスPを枯渇させた。そこで、抗原で気道収縮を誘発させた後に、エンケファリナ-ゼを阻害したが、気道反応の増強は認められなかった。以上のことより、免疫反応にて、気道からサブスタンスPが遊離されていることがin vivtoにても確認された。現在Journal of Applied Physiologyに投稿中である。
2)無髄求心神経からのサブスタンスPの遊離を抑制する薬剤の研究
サブスタンスPの遊離を抑制する可能性のある、α、βアドレナリン作動薬、エンケファリン、テオフィリン、コルチコステロイドなどを気道組織に投与した場合、それらの薬剤の単独作用で、平滑筋の収縮作用が制御された。よって、正確なサブスタンスPの遊離抑制作用については検討できなかった。そこで、免疫反応によるサブスタンスPの遊離機構を解明するために、テトロドトキシンにて神経の伝導をブロックした後に、抗原で気管支組織を収縮させ、エンケファリナ-ゼを阻害したところ、その収縮反応は増強した。この結果から、免疫反応にて遊離された化学伝達物質は、直接的に神経に作用してサブスタンスPを遊離させており、神経のブロックのみではサブスタンスPの遊離は、制御できない可能性が示唆された。この研究は、平成4年5月のAmerican Thoracic Societyの総会で発表する予定である。
3)サブスタンスPの遊離を抑制する薬剤の咳嗽抑制作用についての研究
サブスタンスPの遊離を抑制する薬剤の研究が十分進んでいないので、今後、検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kohrogi H: "Inhibition of neutral endopeptidase potentiates bronchial contraction induced by immune response in guinea pigs in vitro" Am.Rev.Respir.Dis.144. 636-641 (1991)

  • [文献書誌] Honda I: "Enkephalinase inhibitor potentiates substance Pーand capsaicinーinduced bronchial smooth muscle contraction in humans" Am.Rev.Respir.Dis.143. 1416-1418 (1991)

  • [文献書誌] Honda I: "Occupational asthma induced by fungicide tetrachloroisophthalonitrile" Thorax. (1992)

  • [文献書誌] 興梠 博次: "咳嗽におけるサブスタンスPの役割:モルモットとヒト気道からのサブスタンスPの遊離とその代謝" 呼吸. 11. 1368-1375 (1991)

  • [文献書誌] 山口 哲朗: "エンドセリンによるヒト気管支平滑筋収縮に対するneutral endopeptidaseの役割" 呼吸. 11. 86-89 (1992)

  • [文献書誌] 興梠 博次: "Substance P(ペ-ジ)24ー26" 原澤 道美,北村論 別冊医学のあゆみ:呼吸器疾患ーstate of arts, 490 (1991)

  • [文献書誌] 河野 修: "気道過敏性研究(ペ-ジ61ー68)アレルギ-反応におけるTachykininsの役割:in vivoにおける検討" 相沢 久道,浅井 貞宏,梅野 英輔,久保 千春,興梠 博次, 68 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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