研究概要 |
霊長類で飼育にスペ-スをあまりとらない小型の猿であるコモンマ-モセットを用いた。マ-モセット8頭にMPTPを投与した。投与量は2mg/kgを2回投与した。投与後明らかなakinesiaを呈していたが、その後徐々に回復し、一か月後にはakinesiaは完全に消失した。投与3カ月後にはMPTPを投与した8頭のうち4頭について脳内のDA,DOPAC,HVAを線条体、側坐核、大脳皮質で測定した。測定は、HPLCを用いた。現在残りの4頭のコモンマ-モセットを経時的に観察している。 今後はマ-モセットの飼育を続け、akinesia,tremorなどの異常な行動の出現の有無を経時的に観察するとともにをビデオ装置を用いて記録し、評価する。最終年度(平成4年度)には現存飼育観察している4頭のマ-モセットの脳内DA,DOPAC,HVAを測定するとともに組織学的に脳幹、特に黒質の神経細胞の変性の程度を検討する。その後、今年度検討したマ-モセットのデ-タと比較し、同じ処置を行った後、時間経過により神経の変性が進むか否か、あるいは行動に変化が起こるかどうかを比較検討し、神経変性疾患の機序における加齢の影響を研究する。
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