研究分担者 |
鍋島 陽一 国立精神神経センター神経研究所, 遺伝子工学研究部, 部長 (60108024)
藤沢 淳子 国立精神神経センター神経研究所, 遺伝子工学研究部, 室長 (60209038)
石浦 章一 国立精神神経センター神経研究所, 疾病研究第一部, 室長 (10158743)
荒畑 喜一 国立精神神経センター神経研究所, 疾病研究第一部, 室長 (30053325)
杉田 秀夫 国立精神神経センター神経研究所, 所長 (80009951)
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研究概要 |
ジストロフィン遺伝子を欠損し,デコシャンヌ型筋ジストロフィ-のモデルマウスと考えられるmdxマウスを用い,発生工学的手法特にキメラマウス作成を利用して筋形成過程を解析することが本研究の目的である。本年度はそのための実験系を確立することを目標として研究を行った。特に,マウスキメラの組織レベルの解析に必須である細胞標識マ-カ-がマウスでは知られていないことに着目し,マウスのすべての細胞で発現の期待できる外来遺伝子(ヒトペプチド伸展因子プロモ-タに大腸菌CAT遺伝子を連絡)を導入したトランスジェニックマウスを作成した。このトランスジェニックマウスの解析から,本遺伝子は調べたすべてのマウスの組織・細胞で発現しておりキメラ解析に有用であることが判明した。現在このトランスジェニックマウスをmdxマウスと交配することにより,標識化されたmdxマウスを新たな系統として樹立中である。一方,発生的多能性を持つ培養細胞株である胚幹細胞(ES)株は,マウス胚操作に極めて有用であることが知られている。そこで,mdxマウスよりES細胞株を樹立することを試み 現在までに多数細胞株を単離した。現在そのキメラ形成能等を検討中である。このmdxマウス由来ES細胞は細胞標識化や遺伝子操作を培養下で行う点で極めて優れており,本研究にとって有用であると期待される。本年度得られたこれらの成果により基本的実験系が確立したので,来年度以降筋ジストロフィ-の解明を目的とした具体的な研究を行う予定である。
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