研究課題/領域番号 |
02670379
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 健二郎 東京大学, 医学部・(病), 助手 (00161555)
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研究分担者 |
平田 恭信 東京大学, 医学部・(病), 助手 (70167609)
松岡 博昭 東京大学, 医学部・(病), 講師 (20111544)
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キーワード | 腎臓 / 細動脈 / カルシュウム拮抗薬 / アンジオテンシン変換酵素阻害薬 / 糸球体硬化 / 水腎症 / 血管鋳型標本 / ラット |
研究概要 |
1)前年度に購入し改造した顕微鏡をさらに使いやすく改良。血管径の測定のみならず、血流速度も同時に測定できるようにした。また、腎臓が呼吸や心拍動により微動しており、測定の精度に影響していたが、凸レンズの上に腎臓を伸展しアロンアルファで接着することによりこの動きを完全に消失させることに成功した。 2)上述の装置を使用して、腎動脈のアセチルコリンとカルシュウム拮抗薬に対する反応を観察した。その結果アセチルコリンにより輸入・輸出細動脈共に拡張することを直視下に定量的に観察することに成功した。またカルショウム拮抗薬の塩酸マニジピンは、腎マイクロパンクチャ-法により、輸入のみならず輸出細動脈をも拡張することを示したが(藤乗が担当)、直視下でこのことを確認することが出来た。現在、他のカルシュウム拮抗薬であるニフェジピン、ニソルジピンなどとの比較検討を行なっているところである。 3)腎亜全摘モデル(ラット)における血管鋳型標本による検討。われわれはすでに本モデルにおいては、輸入細動脈が拡張し、血圧の上昇と共に糸球体内圧を上昇させることを示した。カルシュウム拮抗薬である、ニカルジピンは輸入細動脈をさらに高度に拡張し、そのために糸球体内圧が上昇し、糸球体硬化は非常に高度となった。このように細動脈径と糸球体障害は密接に関係していることが示された。これに対してアンジオテンシン変換酵素阻害薬であるカプトプリルでは、輸出細動脈が拡張し、糸球体障害が著しく軽減された。今後は糖尿病ラットで検討する予定である。
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