研究概要 |
平滑筋ホスファタ-ゼのcDNAクロ-ニングとして,1型(PPー1)及び2A型(PPー2A)ホスファタ-ゼにアミノ酸配列が相同な部分である ^<149>YーGーPーYーDーEー ^<155>C(アミノ酸の左肩の数字はウサギ骨格筋PPー1αのN端よりの番号を示す)、PPー1とのみ相同である ^<66>HーGーQーYーYー ^<71>D, ^<134>WーKーTーPーTーDー ^<140>C, ^<169>IーPーCーCーHーGー ^<175>G, ^<273>CーGーEーPーDーNー ^<279>Aに対する混合Oligonuclectideを作成して,5'末端を ^<32>Pにて標識しニワトリ砂嚢cDNAライブラリ(λgt11),3×10^5pfuのスクリ-ニングを行ったが、5種類のOligonuclectideの内2種類以上に陽性を示すプラ-クは得られなかった。さらに,これらOligonucleotideをプライマ-として同ライブラリ-をPCR法にて検討したが,DNAは増幅されなかった。そこで,ミオシン軽鎖ホスファタ-ゼ(MLCP)がどのタイプに属するかを検討するため,MLCPの精製を行った。まずニワトリ砂嚢より精製したアクトミオシンよりホスファタ-ゼを高Mg^<2+>下に抽出し,DEAEーCellulofine,HeparineーSepharose,Thiophosphorylated MLCーSepharoseを用いて精製に成功した。精製されたホスファタ-ゼは,SDSーPAGE上58kDaと38kDaよりなり、ミオシン分子内燐酸化軽鎖を脱燐酸化することより,MLCPであることが確認された。このMLCPは、Co^<2+>又はMn^<2+>存在下にその活性が数倍上昇し,このCo^<2+>依存性の活性は骨格筋Inhibitor2により阻害された。また,このMLCP活性はオカダ酸によっても阻害され,そのIC_<50>値は10^<-7>M程度であった。以上より,平滑筋MLCPはPPー1の性質を有しているが、いままで報告されているPPー1及びPPー2AよりデザインしたOligonucleotideによりcDNAライブラリ-からのクロ-ニングができず,さらにPCR法にてもDNA増幅ができないことより、いままで報告されているPPー1とはそのアミノ酸一次構造の相同性が低いことが示唆された。
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