研究概要 |
Cardiac growth factor,I.P. 8.3分子量4.3KDの分画は、培養心筋細胞(H9C2)を始め CHL細胞株(横紋筋)、F6(Fibroblast)株を増殖に対する作用と同様に、本分画は鶏卵胚心臓培養細胞に対してもgrowth作用を示した。このgrowth effectがどのようなメカニズムによって起こるかについて、Fluocytometryを用い、鶏卵胚心臓培養細胞のDNA G_1およびDNA G_2の面およびBrDuをもちいて検討中である。 一方、肥大心でI.P. 8.3,分子量43KDの分画が増加してくると、正常ラット心に存在するI.P. 7.1の分画が減少してくる。この分画を鶏卵胚心臓培養細胞に対し、75μg/mlでは影響がなかった。150μg/mlでは約30%、300μg/ml濃度では約80%の増殖抑制作用を認めた。これは前年度の樹立細胞株H9C2,CHL,F6に対してのみでなく、ビ-トしている心筋細胞に対しても増殖抑制作用を示した。 次いでこのI.P. 7.1の分画を更に分子量別に分離すべく努力しているが、今日までのところ大きく分けて6分画を得るところまでに至った。これら分画の量は、非常に微量のため、現在どの分画に抑制作用があるのが未検索である。現在充分量の蛋白量を得るべく努めている。 一方、growth factorであるAngiotensinI,AngiotensinII,Epithelial growth factor(EGF),Fibroblast growth(FGF)などにより心筋細胞増殖作用様式を検討中である。鶏卵胚心臓培養心臓にはACE活性はないためAngiotensinIは全く作用しない。AngiotensinIIは1000ng/mlで作用を始める。これに対しEGFは25ng/mlとごく微量であるのに対し、FGFは2.5μg/mlと心筋細胞増殖に対しては、その作用が著しく低いことが確認された。これら成長因子に増殖機構の解明に対しても、現在BrDU、あるいはDNA G_1,DNA G_2の面より検討している。
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