研究課題/領域番号 |
02670412
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
松井 忍 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00064600)
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研究分担者 |
平川 知之 金沢医科大学, 医学部, 医員 (50199048)
福岡 卓実 金沢医科大学, 医学部, 助手 (10199193)
浅地 孝能 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00183137)
的場 宗敏 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10199903)
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キーワード | 拡張型心筋症 / βー受容体 / 細胞内情報伝達 / 運動耐容能 / 神経体液性因子 / 心筋脂肪酸代謝 / 心不全 |
研究概要 |
1.基礎的研究:(1)心筋症ハムスタ-BIO 14.6に対するβ遮断薬投与実験では血中ノルエピネフリン濃度の上昇と心筋β受容体数の増加を観察した。細胞内情報伝達系への影響に関しては現在検索を進めている段階である。(2)モノクロ-ナル抗体を用いβ_<2ー>受容体の性質を検討し、Mg濃度が影響を及ぼすことを証明した。 2.臨床的研究:(1)拡張型心筋症に対しβ遮断薬、Ca^<++>拮抗薬の長期投与(6ヶ月〜2年)が有効であることを証明した。β遮断薬ではβ受容体のupーregulationが観察されたが、Ca^<++>拮抗薬ではβ受容体の変動は認めず、その奏効機序には両薬剤間に差異がみられた。(2)拡張型心筋症を含む心不全患者で運動時β受容体の反応が正常者に比し減弱していることが観察された。この反応性低下が心不全患者における運動耐容能低下の一因と考えられた。運動耐容能に対するβ遮断薬の効果については現在検討中である。(3)拡張型心筋症、心不全症例における心筋脂肪酸代謝を血中、尿中カルニチン動態より検討した結果、重症心哲全では体内カルニチン欠乏を来す可能性があることを証明した。又、心筋RI imagingを用い肥大心では早期より脂肪酸代謝障害があり心機能障害の一因となりうることを証明した。(4)慢性心不全患者の運動耐容能を呼気ガス分析法を用い検討し、自覚症状の客観的距価法となりうるかを検討中である。将来心不全の運動療法の有用性を本法を用い検討する予定である。(5)心不全では代償機序としての神経体液性因子の活性亢進があるが高齢者ではこの代償が不充分であり、より重症化すると考えられた。
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