研究課題/領域番号 |
02670417
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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研究分担者 |
中崎 育明 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, レジデント
今川 敏明 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (20142177)
中村 浩 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (30029508)
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キーワード | 心筋小胞体 / Caチャネル / cDNAクロ-ニング / リアノジン / CHO細胞 |
研究概要 |
1.ラット単離心筋細胞をβーアドレナ-ジックなアゴニストで刺激すると心筋小胞体Ca放出チャネルのリン酸化が起こることを明かにした。 2.心筋小胞体Ca放出チャネル(リアノジンレセプタ-)の全アミノ酸をコ-ドするcDNAを含む動物細胞系発現プラスミッドを構築しCHO細胞に導入した。用いた発現ベクタ-は、選択マ-カ-としてE.coliのキサンチン・グアニンホスホリボシ-ルトランスフェラ-ゼに対するcDNAを含んでいるので、マイコンフェリ-ノリック酸を用いてCHO細胞を選択した後、微細管を用いて単一細胞を単離する方法によって細胞をクロ-ン化した。さらにFura2を用いて細胞内のCa濃度を測定し、カフェイン依存性の細胞内Ca濃度上昇を示す細胞を選択した。なお、コントロ-ルのCHO細胞にはカフェイン依存性の細胞内Ca濃度上昇は認められなかった。このようにして選択された細胞はすべて、次のような性質を示した。1)コントロ-ルのCHO細胞には存在しないCa依存性のリアノジン結合活性を示した。このリアノジン結合活性は、ATPおよび高濃度のKC1による促進された。2)イヌ心筋小胞体リアノジンレセプタ-と同じ分子量(約50万)および同じ抗原性示す蛋白示が発現されていた。3)CHO細胞に発現されたリアノジン結合活性の発現量が、デキサメサゾン処理によって増加したことにより、発現したリアノジン結合活性がCHO処理によってプラスミッドに由来することが明らかになった。4)サポニンスキンドCHO細胞を用いて細胞内Ca貯蔵部位からCa放出活性の性質を調べると、リアノジン結合活性を示したCHO細胞ではCaおよびカフェインによるCaの放出が認められた。これらの結果は、心筋型筋理胞体Ca放出チャネルをCHO細胞に安定に発現させることができたことを示している。また、分子量約50万の蛋白質分子単独でCa依存性Ca放出チャネルとして機能することを示すことができた。
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