研究課題/領域番号 |
02670418
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
後藤 葉一 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (40142179)
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研究分担者 |
畑 勝也 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (20228464)
川口 鎮 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (80214609)
二木 志保 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (60190112)
菅 弘之 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 部長 (90014117)
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キーワード | 心筋酸素消費量 / 心臓力学 / エナジェティクス / 心機能 / 局所心筋 / 心筋収縮 / 交叉灌流 / 冠血流量 |
研究概要 |
本研究の目的は、左心室局所の力学的指標、特に壁張力ー面積(TーA)座標軸上で規定される「壁張力ー面積」面積(TAA)と局所心筋参照肥料との関係を定量することにより、局所心筋における力学とエナジェティクスの関係とそれに及ぼす左室負荷条件や心筋収縮性の影響を明らかにすることである。平成2年度においては、1)エネルギ-と等価な局所の力学的指標をを理論的に検討し、2)実験系を確立し、3)局所力学的指標とエネルギ-指標の基本的関係を明らかにし、一定の収縮性のもとでの左室負荷条件の影響を検討することを目標とした。TAAは、TーA座標上で、収縮期末および拡張期末TーA関係および収縮期TーA軌跡により囲まれる面積であり、その単位はエネルギ-(Joule)と等価である。したがって、TAAは局所心筋の収縮により産生された総機械的エネルギ-を表すと考えられる。実験系に関しては、イヌ摘出交叉灌流心の左冠動脈前下行枝とそれに伴走する前室間静脈にカニュレ-ションして局所心筋酸素消費量を測定するとともに、超音波ディメンジョンゲ-ジにより局所の力学的指標を同時に測定する系を確立した。実験の結果、TAAは局所心筋酸素消費量と直線相関すること、この相関関係は左室前負荷、後負荷、収縮様式(等容収縮vs駆出収縮)の影響を受けないことが明らかになり、TAAが負荷非依存性に局所心筋酸素消費量を反映する信頼できる指標であることが明らかになった。以上、平成2年度の研究計画はほぼ予定通りに達成できた。 反省点としては、左室全体および局所の心筋酸素消費量を並列回路で同時に測定することを試みた際、灌流回路が複雑化し、また標本作成に長時間を要するため標本自体の安定性が犠牲となり、必ずしも信頼できるデ-タを得ることができるとは限らないことが明らかとなった。今後検討すべき課題であると考えられた。
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