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1991 年度 実績報告書

ミクソウイルスによる先天性水頭症の発生機序に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670435
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

島田 司巳  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00079873)

研究分担者 高野 知行  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80236249)
キーワード先天性水頭症 / ムンプスウイルス / パラインフルエンザウイルス / ハムスタ-
研究概要

初年度はムンプスウイルスおよびパラインフルエンザウイルス3型を新生仔ハムスタ-の脳内に接種することにより,水頭症の発生頻度,ウイルス感染細胞の局在,脳室系の変化などを検索した.最終年度は,これらのウイルスを妊娠母獣に接種した場合,経胎盤的に水頭症が惹起されるか否かを検索した.
7匹の妊娠ハムスタ-を用い,妊娠11,12,14または15日目に1.0×10^8pfuのパラインフルエンザウイルス3型を0.5ml頸静脈内に接種し,出生仔獣を生後13日から17日目まで観察した.
その結果,妊娠11日または12日目に接種した場合には全ての胎仔は死亡・吸収された.妊娠14日または15日目に接種した場合には28匹の新産仔がえられ,その内16匹が2週間以上生存しえた.この16匹のうち3匹で,生後1週目頃から頭蓋の膨隆が認められるようになった.14日目には頭蓋が著明に膨隆しており,脳を摘出すると頭頂から後頭にかけての大脳皮質は紙状に菲薄していた.組織学的に観察すると,小脳虫部は尾側に圧迫・延長し,ArnoldーChiari type 1様所見を呈していた.側脳室は著しく拡大し,上衣細胞は脳室系全体で剥離・消失していた.また,皮質幅は正常の1/3〜5になっていたが,層構造はほぼ保たれていた.しかし,海馬や脳梁は消失していた.中脳水道は癒着・狭窄または閉鎖し,数個の細管状となり,いわゆるフォ-キング状を呈していた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高野 知行,大野 雅樹,山野 垣一,島田 司巳: "パラインフルエンザウイルス3型による実験的水頭症" 医学のあゆみ. 155. 525-526 (1990)

  • [文献書誌] 高野 知行,大野 雅樹,山野 垣一,島田 司巳: "ミクソウイルスによる実験的ArnoldーChiari I型奇形モデルの作製" 医学のあゆみ. 158. 225-226 (1991)

  • [文献書誌] 高野 知行,大野 雅樹,山野 恒一,島田 司巳: "ムンプスウイルスによる実験的ArnoldーChiari I型奇形発症の臨界期" 脳と発達. 23. 308-310 (1991)

  • [文献書誌] Takano.T.,Ohno M.,Yamano T.,Shimada M.: "Experimental hydrocephalus in suckling hamster induced by myxovirus infection.I.Pathogenesis of hyarocephalus caused by mumps virus." Congenital Anomaly. 31. 115-128 (1991)

  • [文献書誌] Takano T.,Ohno M.,Yamano T.,Shimada,M.: "Experimental hyedrocephalus in suckling hamster incduced by myxovirus infection II.Pathogenesis of hydrocephalus caused by parainfluenza virus type3." Congenital Anomaly. 31. 129-139 (1991)

  • [文献書誌] Takano T.,Ohno M.,Yamano T.,Shimada M.: "Congenital hydrocephalus in suckling hamsters caused by trdansplacantal infection with parainfluenza virus type3." Brain and Development. 13. 371-373 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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