研究概要 |
1.好酸球の活性酸素産生能測定 (1).正常人末梢血の好酸球と好中球の比較 (1)化学発光(CL)測定:opsonized Zymosan(OZ)による発光では好中球のピ-クは2分後に存在したが,好酸球は明らかなピ-クはみられなかった。又最大発生強度は好中球が6倍高値であった。phorbol myristate acetate(PMA)による刺激では好酸球が有意に高かった。 (2)O^-_2産生能:OZでは両者に有意差はみられなかったが,PMAでは好酸球の方が有意に高いO^-_2産生がみられた。 (3)H_2O_2産生能:PMA刺激において好酸球が有意に高値を示した。 (2)気管支喘息患児の発作時は非発作時の末梢好酸球の比較 (1)化学発光測定:OZでは発作時と非発作時の好酸球では発作時が有意に高い発光強度を示した。PMAでも発作時のCLが高い傾向を示した。 (2)H_2O_2産生能:発作時と非発作時に差はみられなかった。 好酸球はある一定の條件下では好中球より多量の活性酸素を産生し,しかも細胞内より細胞外に対して放出する可能性が示唆された。アレルギ-性疾患において好酸球の産生する活性酸素が組織障害の一因になっていると考えられた。 2.Eosinophil poroxidase(EPO)活性測定 前年度報告した方法で好酸球を分離し,膜刺激物質でEPOを放出させ,同数の好酸球の全EPO量から放出量を算出した。EPO測量は,oーphenylenediamine dihydrochlorideとhydrogen peroxideで反応させ492nmの吸光度を測定した。この測定方法を確立し気管支喘息患児の発作時と非発作時のEPO放出率を検討中である。
|