研究課題/領域番号 |
02670454
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80159590)
|
研究分担者 |
松山 秀介 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045983)
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50106316)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
キーワード | PBSCT / CFU-GM / High-dose chemotherapy / CD34 / refractory acute leukemia / neuroblastoma |
研究概要 |
難治性小児悪性腫瘍の治癒をめざした治療法としての、末梢血幹細胞移植療法の基礎的および臨床的研究を行った。臨床的研究では、難治性急性白血病6例、固形悪性腫瘍4例に末梢血幹細胞移植を行った。結果は全例で生着が得られ、同種骨髄移植に比し速やかな造血能の回復を認めた。治療効果は難治性急性白血病6例中4例、固形腫瘍4例中2例が無病生存中であり、治癒が期待される。これらの症例は従来の治療では治癒する可能性は少なく、超大量の抗癌剤療法と末梢血幹細胞移植の効果と考えられる。末梢血幹細胞採取については、これまで化学療法後に複数回の採取を行ったり、化学療法を繰り返した後には採取効率が不良であると報告されていたが、今回の研究からは複数回の採取や長期の化学療法後でも、必ずしも採取率は悪くないという結果が得られた。また、化学療法後採取の至適時期については白血球が十分に回復した時期でも1回のアフェレーシスで多量の幹細胞が回収できた場合もあり、アフェレーシスの時期は症例や採取前の化学療法またその時の患児の状態などにより変動すると考えられた。この結果より一回の採取量が少なくとも、頻回の採取を行えば、必要幹細胞数が得られると考えられた。基礎的研究に関しては造血幹細胞の濃縮については50〜100倍の濃縮率が得られたが、操作段階での細胞の損失量が多く、濃縮幹細胞移植の臨床応用には更に検討が必要と考えられた。二次性コロニー形成については大型CFU-mix由来コロニーより回収した細胞にてコロニー形成を行った場合CFU-GMの形成を認め、末梢血幹細胞にもself-renewalityのあることが判明した。末梢血CD34陽性細胞とCFU-GMの間に、一定の関係が認められ、末梢血幹細胞量の定量法としてコロニー形成法にかえてCD34の測定で行える可能性が示唆された。
|