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1991 年度 実績報告書

小児がん診断のためのmyc系がん遺伝子産物定量法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02670465
研究機関東邦大学

研究代表者

嶋武 博之  東邦大学, 医学部, 教授 (40010110)

研究分担者 青木 継稔  東邦大学, 医学部, 教授 (50057585)
キーワード小児癌 / Nーmycタンパク / 抗Nーmyc抗体 / 抗panーmyc抗体 / 神経芽腫 / 網膜芽腫 / ELISA法 / 大腸菌内融合蛋白発現システム
研究概要

抗ヒトNーmycタンパク抗体(抗Nーmyc抗体)はヒトのNーmyc癌遺伝子から作られるNーmycタンパクに対する抗体である。この抗体を用いてNーmycタンパク定量化することにより神経芽腫の役立たせようとするのが本研究の目的である。抗Nーmyc抗体を用いて神経芽腫の手術摘出組織あるいは培養細胞株のNーmycタンパクを検出するためには免疫組織化学法・Western blot法・ELISA法などがあるが免疫組織化学法では細胞一個ずつのNーmycタンパク量が求まるのに対しWestern blot法おELISA法では細胞一個ずつのNーmycタンパク量は求まらず各細胞のNーmycタンパク量の平均値が求まる。本研究の進行中我々は免疫組織化学法により神経芽腫の手術摘出組織あるいは培養細胞株のNーmycタンパクの量に細胞ごとのばらつきがある事を見いだしこれがELISA法などによるNーmycタンパクの定量化に問題を与える可能性があるので、Nーmycタンパク量の細胞ごとのばらつきについて詳細に検討を行なった。
その結果、(1)神経芽腫の細胞中のNーmycタンパク量は細胞周期により変動するが、それによる変動よりも細胞が個々に示すばらつきの方がより大きな変動を示すことおよび(2)細胞集団の全体がNーmycタンパク量の変動を来す場合には個々の細胞のNーmycタンパク量のばらつきは保たれたままでいる事が明らかとなった。従って免疫組織化学染色で見られるNーmycタンパマ量のばらつきは、細胞固有のなんらかの性質により規定されており、薬剤処理などの外部環境によってばらつきは解消されない事が示唆された。すなわち臨床神経芽腫においてNーmycタンパク量を定量する際には、個々の細胞のばらつきを免疫組織化学的に求めなくても、Western blot法あるいはELISA法により全体の値を測定することにより腫瘍細胞全体のNーmycタンパク量が求められ得ることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 中川 千鶴: "腫瘍マ-カ-「抗ヒトNーmycタンパク抗体」" Medical Technology. 19. 256 (1991)

  • [文献書誌] Yoshihiro SHIDOJI: "Biokemical characterization ofーmyc protein and retimoic acidーregulated protein for their DNA binding actinvity." 第10回腫瘍マ-カ-研究会記録. 6. 36-37 (1991)

  • [文献書誌] 進藤 彦二: "Effects of antiーcancer drugs on the Nーmyc gene expression at m RNA and protein level." 第10回腫瘍マ-カ-研究会記録. 6. 38-40 (1991)

  • [文献書誌] 嶋武 博之: "神経芽腫培養細胞におけるNーmyc癌遺子発現の調節機構" 小児がん. 28. 100-102 (1991)

  • [文献書誌] Hiromichi HEMMI: "Expression of Nーmyc oncogene in a human neuroblastoma cell live TNBー1" J.Med.Soc.Toho. 38. 482-486 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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