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1990 年度 実績報告書

先天性重金属代謝異常の成因に関する研究ーとくにWilson病の成因ー

研究課題

研究課題/領域番号 02670466
研究機関東邦大学

研究代表者

青木 継稔  東邦大学, 医学部, 教授 (50057585)

研究分担者 内山 利満  東邦大学, 医学部, 教授 (50057709)
原 まどか  東邦大学, 医学部, 助手 (60181004)
水谷 正興  東邦大学, 医学部, 講師 (50166021)
舘野 昭彦  東邦大学, 医学部, 講師 (70163491)
キーワードWilson病 / 発症前Wilson病 / 胆汁中胆汁酸分析 / 胆汁中銅含量 / 新しい銅キレ-ト剤 / トリエンー2HC1 / トリエンー4HC1
研究概要

1.Wilson病患者の胆汁採集および胆汁酸分析と胆汁中銅含量
Wilson病患者11例は,3歳2カ月から42歳の年齢分布である。対照群は,Wilson病以外(胆石症,肝硬変他)にて開腹手術あるいはTーtubeにて採取した胆汁である。Wilson病症例は肝生検のため開腹した5例に胆のうを直接穿刺して得た胆汁を試料とし6例においては経口的に透視下にTーtubeを挿入して採取した胆汁汁を試料とした。(1)胆汁中胆汁酸分析:タウロケノデオキシコ-ル酸が増加し,コ-ル酸/ケノデオキコ-ル酸比およびグリシン/タウリン比値が低下した。この目的は,Wilson病以外の肝硬変患者にも認められた。(2)胆汁中銅含量:胆汁中銅含量は,指標として胆汁中銅含量μg/d1/総胆汁酸mcmole/m1にて比較検討した。対照群は3.9〜37.5,平均13.9に対しWilson病症例は0.31〜1.74,平均0.93と著明な低値を示した。
2.発症前Wilson病患者の胆汁中胆汁酸分析と胆汁中銅含量
発症前Wilson病患者の4例は,7〜8歳(女児1,男児3例)であり,いずれも同胞がWilson病と診断され家族内検索により発見された例である。胆汁採集は経内視鏡的に行った。(1)胆汁中胆汁酸分析:対照群と有意な差を認めなかった。(2)胆汁中銅含量:0.37〜1.2の範囲内にあり平均0.81でありWilson病発症例と同様に著明な低値を示した。発症前Wilson病であっても肝から胆汁中への銅排泄障害が観察されたことは,Wilson病の肝銅蓄積の成因として重要な示唆を与える大きな収穫であった。
3.新しい銅キレ-ト剤の薬理学的研究:トリエンー2HC1およびトリエンー4HC1について検討し,Wistar系ラットにおけるLD50はいずれにおいても約2,285〜2,532mg/kgであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 青木 継稔: "Wilson病" 小児科. 31. 1365-1367 (1990)

  • [文献書誌] 青木 継稔 他: "Wilson病の新しい動物モデルーLECラットにおけるセルロプラスミンおよび銅代謝に関する研究ー" 医学のあゆみ. 156. 495-497 (1991)

  • [文献書誌] 加藤 済仁: "Wilson病における胆汁中への銅排泄の検討ーWilson病の病因に関する研究" 日本小児科学会雑誌.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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