研究課題/領域番号 |
02670468
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
白幡 聡 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10081712)
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研究分担者 |
大治 太郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (20233108)
有吉 宣明 産業医科大学, 医学部, 助手 (40184296)
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キーワード | 血小板 / 凝固 / 線溶 / 血管内皮細胞 / 脂屓 / 川崎病 / 血管炎 / 加齢変化 |
研究概要 |
1.遠隔期川崎病罹患児の線溶能と内皮細胞障害の検討 発症後1年以上を経た遠隔期川崎病罹患児を対象として、血小板凝集能、βトロンボグロブリン、血小板第4因子、フィブリノペプタイドAトロンビン・アンチトロンビンIII複合体などを測定し、川崎病罹患児は遠隔期に入ってもなお血小板と凝固系の機能抗進が認められることを昨年の研究で明らかにした.今年度はさらに組織プラスミノゲン・アクチベ-タ-(tPA)、プラスミノゲンアクチベ-タ-・インヒビタ-(DAI)、可溶性トロンボモジュリン(TM)を測定したところ、PAIー1は対照児と差がなかったのに対してtPAが低値であり、線溶系の抑制が認められた。一方、TMは対照児と比べて高値を示す例が29%に観察され内皮細胞障害の存続が示唆された。これら血小板、凝固、線溶系の異常と、中性脂肪、コレステロ-ル、リン脂屓、βリポ蛋白の間に相関は認められなかった。 2.若年制関節リウマチ、SLE、若年性糖尿病患児での検討 上記疾患の患児についても同様の血小板、凝固、線溶系の検討を行ったところ、川崎病遠隔期の症例で認められたのと同様な、血小板と凝固系の亢進が観察されたが、線溶系の抑制は認められなかった。 3.アンチドロンビンIII製剤の効果からみた内皮細胞機能の評価 ATーIII製剤の活性増強に内皮細胞上のヘパリノイドが重要な役割を果しているので、新生児のDICと年長児のDICを対象としてATーIII製剤単独投与とヘパリン併用投与の比較を行ったが、年長児では単独投与と併用投与の間に差がみられなかったのに対して.新生児ではヘパリン投与を併用した場合にすぐれた抗凝血学的効果が観察され、新生児期の内皮細胞はATーIIIの活性増強作用が弱いことが示唆された。
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