研究概要 |
1・デスモソ-ム(D)構成分子の構築様式を調べるため、抗Dポリクロ-ナル/モノクロ-ナル抗体を用いたイムノゴ-ルド間接法による免疫電顕細胞化学の計量的分布パタ-ンの解析を初年度から行ってきた。その結果、DGタイプとDPタイプに特異的な分布パタ-ンを確認し、距離/確率曲線よりピ-ク位置や波形の正確な把握が可能になったが、ピ-クの空間的意味に対する理論的解明が新たに必要になった。平成3年度より、エピト-プを中心とする各種分布パタ-ンのコンピュ-タ-・シュミレ-ションと線状配列抗原モデルを用いた実験結果との対応を解析することにより、ピ-ク位置が、対照線に対して直行する形で線状配列したエピト-プ群に対応すること、数学モデルが半値幅を異にしピ-ク位置を共有する二つのガウス曲線で近似できること、要素曲線の分解能が約60Aであること等を明らかにした。この理論をDタンパク質に適用し、別に得た膜面での2次元配列や、一次構造に関する文献的情報も考慮しつつ細胞骨格一D接着分子複合体の3次元モデル像構築した。 2・研究目的2、3については単離・精製Dに対する6M 塩酸グアニジン処理を行い、DP3の遊離を確認すると共に局所D域におけるDP,DGの密度がDGI>DP1/2>DG2/3の順であること、いずれもランダム分布であること、Eーカドヘリンが固有域にほとんど無いこと等の結果を得た。また、このEーカドヘリンとDタンパク質の分布パタ-ンの違いは、培養角化細胞でも確認した。さらに、抗D抗体による細胞間接着の崩壊が抗体長時間共存下で起こることを観察したが、ペプスタチンはこれに影響しなかった。
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