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1991 年度 実績報告書

紫外線による表皮細胞損傷と修復ー(6ー4)光生成物の生成と修復ー

研究課題

研究課題/領域番号 02670477
研究機関神戸大学

研究代表者

市橋 正光  神戸大学, 医学部, 助教授 (00030867)

研究分担者 林部 一人  神戸大学, 医学部, 助手 (40198875)
上田 正登  神戸大学, 医学部, 助手 (20176598)
キーワード単クロ-ン抗体 / 紫外線 / DNA損傷 / シクロブタン2量体 / (6ー4)光生成物
研究概要

太陽紫外線により異常に強い日焼けを生じ、若生で発症する色素性乾皮症(XP)は、紫外線(UV)により生じたDNA損傷を修復する能力が著しく劣る。UVでは主にシクロブタン2量体(P_yーR_y)が生じるため、UV致死や突然変異に関連するのはP_yーR_yと考えられてきた。しかし、近年P_yーR_yに比べ量的には約1/3と少ない(6ー4)光生成物がUV致死や突然変異にかかわっていることを示唆する報告がみられる。今年度は昨年度に引きつづきXP相補群E,F由来細胞を用いUVCによる(6ー4)光生成物およびP_yーR_yの修復動態を単クロ-ン抗体を用いELISA法で求めた。XPE群(XP3RO)は正常細胞とほとんど同じく照射12時間後で90%近い修復を示した。しかし、P_yーR_yの修復は正常細胞が照射6時間後で約40%、XPEが8%、12時間では正常細胞が50%、XPEが30%といずれも単クロ-ン抗体結合部位は残存していた。XPF群細胞(XP28KO)の(6ー4)修復は照射後12時間で正常細胞に比べ35%、24時間で40%とかなり低い値を示した。これらの結果より、P_yーR_y修復は単クロ-ン抗体で調べる限りは照射24時間経過していてもまだ結合能が約50%は残っていることが明らかとなり、従来のUDS法とは明らかに異なる結果である。P_yーR_yが抗体でdetectできるのは、除去修復後も塩基がまだ安定した構造式を保持しているためと考えられる。本法ではXPE群は正常の60〜75%と高い修復を示したが、従来のUDS法では40〜50%である。この2方法による修復活性の差はUDS法が照射3時間の早い時期の修復をみているのに対し、ELISA法では24時間のためと考えた。今後、よりsensitiveな単クロ-ン抗体を用い、より多数例のXP各群の修復をみると同時に、光源をUVBおよび自然太陽光とし、ヒト皮膚の急性および慢性損傷とDNA修復の関連を明らかにしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Fuiwara: "A mechanism for relief of replication blocks by activation of unused origins and ageーdependent change in the caffeine susceptibility in xeroderma pigmentosum variant" Mutation Research. 254. 79-87 (1991)

  • [文献書誌] 市橋 正光: "紫外線発癌" 皮膚科の臨床. 34. 11-23 (1992)

  • [文献書誌] T.Jimbo: "Role of excision repair in UVBーinduced depletion and recovery of human epidermal Langerhans cells" Arch Dermatol. 128. 61-67 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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