研究課題/領域番号 |
02670480
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
武藤 正彦 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (40175625)
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研究分担者 |
高田 一郎 山口大学, 医学部, 助手 (40216651)
中野 純二 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (40198156)
麻上 千鳥 山口大学, 医学部, 教授 (80035188)
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キーワード | 乾癬性関節炎 / 疾患感受性 / HLA遺伝子 / HLAハプロタイプ |
研究概要 |
乾癬発症の疾患感受性形成時のHLAの役割についての遺伝子解析を進め、以下のような成果を納めた。乾癬性関節炎(PA)を用いた解析から、1)HLAーDPBl*0202(DPB2.2)の頻度が25.0%と対照群の7.2%に比べ増加していたが有意差はみられなかった。HLAーDPB2.2は、既に前年度明らかにした。HLAーA2ーBw46ーCw11ーDRw8ーDQw6ハプロタイプと連鎖不平衡にあることから、HLAーDPB2.2とPAとの弱い相関は二次的なものと推測される。2)HLAーDRw10(DRB1*1001)ーDQw5(DQA1*0101,DQB1*0501)ハプロタイプは12.5% 0%とP<0.005の有意差でPA患者群において増加していた。反対に、HLAーDRw13(DRBl*1302)ーDQw6(DQAl*0102,DQBl*0604)ハプロタイプは有意ではなかったが0%vs10.7%とPA患者群で減少していた。3)PAと相関するHLAハプロタイプには少なくとも3つ(HLAーA2ーBw46ーCw11ーDRw8ーDQw6ーDPB2.2、HLAーDRw10ーDQw5およびHLAーDRw13ーDQw6)存在することが判明し、PAがmultigenic inheritanceに従うことが明らかとなった。 乾癬の発症にはこれまでHLAーCw6およびCw7をはじめとするHLAクラスI遺伝子の関与が重視されていたが、DNA多型を応用した今回のHLA遺伝子解析の研究から、HLAクラスII遺伝子の関与も大きいことが明らかとなった。このHLAクラスII遺伝子領域には生体の免疫応答を支配する免疫応答遺伝子や免疫抑制遺伝子が存在することから、免疫病理組織学的に免疫異常症として扱われていた一部の乾癬はHLAの側からみても免疫応答異常の可能性が大きいといえる。
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