【目的意義】 放射光を用いたK吸収端差分法による冠状動脈造影の方法を開発し、実用化への克服すベき問題を明らかにする。 【方法成果】 1.画質に影響する因子を考察し、要請されるエネルギ-シフトの関係を明らかにした。濃度分解能に及ぼす因子はフォトン数、ピクセルサイズ、測定系のノイズなどであり、空間分解能に及ぼす影響はモノクロメ-タを構成している結晶の表面状態、K吸収端上下のエネルギ-差などであるがこれらの因子の間の関係および結晶光学系のパラメ-タと画質との関連を議論した。 2.高調波の影響を取り除く方法を考案した。 3.IIと二つのCCDカメラを一体化をはかった。4.高エネルギ-研究所内では専用画像処理収集装置、ミニコンピュ-タで画像収集および処理を行っているが、この画像をパソコンへ転送することを可能にし、パソコン上で一部の処理および表示が可能になった。光磁気ディスクへの画像の取り込みが可能になった。 【新たに得られた知見】 a)単色にしたときのX線強度を確保するためにX線エネルギ-のバンド幅を広くする目的で結晶表面を意図的に荒くしてきたが、このため見かけ上光源の焦点が大きくなるのと同等のことが生じる。X線強度と空間分解能、濃度分解能などを総合的に考えて結晶パラメ-タ-を決定するべきであることが示された。 b)従来のK吸収端上下の像に加えて3次高調波の成分が強いX線の画像を用い3種類の像から真の差分像を得る方式を考案した。この方法を用いて実験結果を解析し骨の残留像のコントラストが小さくなることを確認した。取り込まれた画像をフロッピ-ディスクで運搬しパソコン上で処理できることを確認した。 【まとめ・展望】エネルギ-シフトの方法が解決し、高輝度の光源が利用できるようになると、周辺技術(CCDカメラ、HDTV、画像処理WSなど)の発展などにより飛躍的な発展が期待できる。
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