研究概要 |
1.錐体外路系副作用(以下EPS)が生じにくいことで特徴づけられる非定型抗精神病薬(以下atypical APD)のin vivoにおけるDopamine D1,D2、およびserotonin(5ーHT)2受容体の占有率を、これらの受容体に非可逆的に結合することが知られているEEDQを用いて測定し、EPSを生じやすい定型的抗精神病薬(以下typical APD)のそれと比較検討した。2.typical APD(chlorpromazine,haloperidol,flupenthixol,zotepine)の前処置はすべて、EEDQによるD2受容体数の減少を強く抑止し、D1受容体数の減少にはflupenthixolをのぞいて影響しなかった。5ーHT2受容体に対する影響は、D2受容体に対するそれと同程度(chlorpromazine,zotepine)、軽度(flupenthixol)、無し(haloperidol)と様々であった。3.atypical APD(clozapine、fluperlapine,risperidone ,setoperone,ORG 5222)の前処置は、主としてEEDQによる5ーHT2受容体数の減少を抑止した。D2受溶体に対する作用は弱いか無く、D1受容体には影響しなかった。4.haloperidol,risperidone,setoperoneについては前処置投与量を展開したが、上記と同様の結果を得た。5.risperidoneについては、前処置後EEDQ投与までの時間を、30分から4時間まで開いて検討した。どの時点でも5ーHT2受容体数の減少がより強く抑止され、薬物動態の部位差(大脳皮質;5ーHT2、線条体;D2受容体)によるものではないことが示唆された。
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