カテコラミン作動薬であるメタンフェタミン(MAP)もしくはコカインの慢性投与動物を用いて、脳ドパミン(DA)系ニュ-ロン神経終末におけるDA取り込み異常の発現脳部位、及び神経終末取り込み部位にみられる持続性変化の病態を解明するために当研究を行った。 1.MAP4mg/kgを21日間連続復腔内投与した逆耐性モデルラットを作成した。薬物断薬後7日で ^<14>CーMAPを復腔内投与し、投与後15分で断頭・脳を摘出した。脳を拡大鏡下の分割し、部位別の放射活性をベ-タカウンティングにて測定、逆耐性群と正常対照群との比較を行ったところ、逆耐性ラットの線条体及び側坐核において放射活性が有意に増加していた。この結果からMAPの連続投与によりDA系神経終末のDA再取り込み部位に何らかの持続性の変化が生じていることが示唆された。 2.上記の結果をふまえてMAP及びコカイン逆耐性モデルラットにおいてアンフェタミン誘導体である ^<123>IーIMPを用いて同様の検討を行ったが、逆耐性群と正常対照群との間で有意の差はみとめられなかった。 ^<123>IーIMPの脳内動態は ^<14>CーMAPのそれとは異なり、DA系神経終末における持続性の変化を反映するものではないことが示唆された。 3.次年度は ^3HーMAPの合成を行い、MAP及びコカイン逆耐性モデルラットにおける脳内動態から逆耐性形成に伴って持続性変化をきたす脳内部位ならびにその機序に関してさらに詳細な検討を行う予定である。
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