研究課題/領域番号 |
02670513
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
假屋 哲彦 山梨医科大学, 医学部, 教授 (60014023)
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研究分担者 |
佐藤 佳夫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40215869)
塩江 邦彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90215939)
朝田 隆 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90184142)
中河原 通夫 山梨医科大学, 医学部, 講師 (50114773)
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キーワード | 脳内透析法 / αー2受容体 / MHPG / 多動 / 種差 / PNMT |
研究概要 |
抗躁薬についてはリチウムの作用機序に関する研究が最も進展しているが、臨床効果と対応する所見は少ない。一方、うつ病ではクロニジンテスト、デスメチルイミプラミンテストなどの神経内分泌学的研究から脳内αー2アドレナリン受容体の感受性の低下が指摘されている。αー2アドレナリン受容体はセロトニン、アドレナリン、GABA、ニュ-ロペプチドYなどの種々の神経伝達物質によって調節を受けている。著者らは、作用機序に関して動物を生存させたまま、脳内物質の変動を測定できるブレインダイアリシス法によって検討を試みた。 1)神経内分泌学的検査を行い、健康成人ではαー2受容体の感受性が個人特有のものである事を認め、「精神医学」に報告した。 2)精神薬理学的研究においては、αー2受容体の感受性が低くPNMTの酵素活性が高いFischer344では、PNMT阻害作用が最も強く、αー2受容体阻害作用の弱いDCMBにより最も強い多動状態が、またαー2受容体阻害作用のみを有するヨヒンビンでは最も弱い多動状態を認めPNMTがαー2受容体を調節している事が明らかになった。この結果は第5回国際生物学的精神医学会議において報告した。 3)ブレインダイアリシス法で検討した結果、ノルアドレナリンの代謝産物のMHPGは、ヨヒンビンの投与によって有意に増加した。この結果は第21回日本神経精神薬理学会で報告した。 4)ニュ-ロペプチドYについては健康成人の血漿中のニュ-ロペプチドYを測定し、デスメチルイミプラミン投与による変動を検討した。結果の一部は第21回日本神経精神薬理学会で報告した。 5)αー2受容体を介する動物の多動状態について現在ノルアドレナリン、アドレナリン、ニュ-ロペプチドYなどの物質についても測定を行っており、これに対する抗躁薬についても現在研究をすすめている。
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